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海外レース他 ニュース

投稿日: 2018.04.16 12:53
更新日: 2018.04.16 12:56

ロングビーチ戦にかける想いも不運が琢磨を襲う「いいペースでのレースがもったいない」

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海外レース他 | ロングビーチ戦にかける想いも不運が琢磨を襲う「いいペースでのレースがもったいない」

 佐藤琢磨のインディカー・シリーズ第3戦ロングビーチにかける思いは並々ならぬものがあった。

 開幕戦セント・ピータースバーグ、第2戦フェニックスとトップ10にも入れず終わってしまい、ランキングは12番手と大きく出遅れた。2013年にはインディカー初勝利を挙げた思い出のロングビーチで、大きく流れを変えて勢いを取り戻したいところだ。

 金曜日のプラクティスではFP1で6番手、FP2で4番手とタイム的には悪くなかったが、セッションの最後でウォールにヒットしマシンにダメージを負ってしまった。

「ロングビーチには少し考え方を変えてマシンを持ってきました。セント・ピータースバーグでうまく機能しなかったので、グラハムも一緒のセッティングから始めて、お互いいいとこ取りが出来れば。まだマシンの後ろの動きが不安定で、ターン1でミスをしてしまいましたが……」

 上位はアンドレッティ・オートスポート、ペンスキー勢、そしてガナッシのスコット・ディクソンもスピードを取り戻してきた。

 僅差での予選になることは十分に予想できた。だが、琢磨は仕上げたマシンの速さを予選で発揮することが出来ずに終えてしまったのだった。

 Q1でブラックタイヤでアタックを終えた後、レッドタイヤに替えてコースに戻りタイムアタックに入った周でコースアウトしたマルコ・アンドレッティがコースに戻り、琢磨のラインを塞いでしまうことに。

 速やかにコースを譲ることもなく、琢磨はアタックラップを台無しにしてしまった。これでマルコにはペナルティも出されている。

 結果グループで11番手、総合で22番手と厳しいポジションからレースをスタートすることになった。

「あんな形で前を塞いでチームメイトには行かしているのに、僕は行かせないなんて理解できないですね。彼はペナルティ受けても、僕の順位は変わらないですから」と憤懣やる方ない。

 後方からのスタートとなったロングビーチで、琢磨はレースをどう攻略するつもりなのか。

「少しでもストレートのスピードを稼ぎたいので、ダウンフォースを減らしていくでしょう。今年のマシンであればターン1のブレーキングと、ターン5で前のクルマがミスをしたら、ターン6の進入でダイブできるかもしれない。でも自分の力で追い上げるのも限界があるだろうから、イエローコーションとかを期待しているところもありますね」と言う。

観客の声援に笑顔で応える佐藤琢磨

 日曜日になって少しは気分転換できたのだろうか。朝のウォームアップでも1分8秒台で11番手だったが表情は暗くなかった。

「僕にも(ダニエル)リカルドみたいに、うまくセーフティカーが出てくれるといいな」と笑いながらF1中国GPのレースを引き合いに出した。もちろん、その可能性はゼロではない。

 レース前にはホンダの八郷社長やアメリカホンダ神子柴社長など役員の訪問も受けて、レースの意気込みを語った琢磨。

 ポールのアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)を先頭にレースはスタート。ターン1でシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)がグラハム・レイホールに追突されて、レースは最初から荒れ気味で始まった。琢磨はブラックタイヤでスタートしたものの、ターン1で次々と前のマシンを料理していった。

波乱の幕開けとなったロングビーチ戦

積極的な走りで順位を上げていく佐藤琢磨

 前のマシンの脱落があったとは言え、18周目にはトップ10に入り、最初のピットインをした27周目には6番手まで上がっていた。

 レースも折り返そうと言う頃に波乱は起きたイエローコーションの開けた46周目。前を行くライアン・ハンター-レイがターン5 で姿勢を見出し、修正をしたところに琢磨の左フロントタイヤが接触。琢磨はサスペンションにダメージを負ってしまう。

 止むを得ずピットに入ったが、わずかな接触だったとはいえダメージは大きく修理に10周を超える時間を費やした。戦列に戻ったものの、トップ10に戻る見込みもなく淡々と85周目のチェッカーを受けるだけであった。

「せっかくいいペースでレースしていたのに、もったいないですね。本当に悔しい。最初のスティントからどんどんオーバーテイク出来て、自力で6番手まで上がれたし、その後のレース展開を見たら表彰台だって夢じゃなかったかもってエンジニアが言ってました。くやしいなぁ」

レース後に会話する琢磨とハンター-レイ

 レース後にはライアンと接触について話していたが、以前のような緊張した雰囲気はなく、元チームメイトらしく状況を話し合い納得していた。間違いなく速さはあっただけに悔やまれる接触だったが、次戦のアラバマではその速さを再現してほしいところだ。


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