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海外レース他 ニュース

投稿日: 2018.06.22 13:38
更新日: 2018.06.22 13:39

F2初年度挑戦中の牧野任祐、中盤戦の鍵はマキノ・スタイル”がハマるレッドブルリンク

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海外レース他 | F2初年度挑戦中の牧野任祐、中盤戦の鍵はマキノ・スタイル”がハマるレッドブルリンク

 F2はルーキーに厳しいカテゴリーだ。予選前に許されているプラクティスはわずかに45分間。その間にコースへの習熟を行ない、マシンのセットアップも進めなければならない。F2との併催が多いGP3を経験してきたドライバーならまだしも、欧州F3から飛び級のステップアップでは未知のコースの割合が圧倒的に多くなる。

 こうした状況にも関わらず牧野は4戦中3戦で予選トップ10に入るスピードを見せている。昨年、シャルル・ルクレールに次いでランキング2位につけたチームメイトを凌駕する速さだ。

「予選は、まだ完璧ではないけれど、少しずつ“見えてきた”感じ。バルセロナ(第3戦)の予選だってARTのジャック(エイトキン=ルノーF1リザーブドライバー)に邪魔されなければ、3、4番手はいけていたはず」

 牧野自身もある程度の手応えを感じているようだが、疑問を感じる部分もある。昨年の欧州F3では一発のスピードにやや手こずっていた印象があるからだ。なぜ今年の牧野はこれほど速さを見せられているのか。その理由は、今季、ピエトロ・フィッティパルディの代役としてスーパーフォーミュラ(SF)に出場しているトム・ディルマンが明かした。

「マキノとはサーキットで時間をともにしたことがある。昨年、僕がハイテックのドライバー(ニキータ・マゼピン=今季GP3開幕戦レース1で優勝)のドライビングコーチをしていたときだ。欧州F3で苦戦していたマキノは『なぜ、ダメなのか?』という理由を求めに来ていたんだと思う。若いドライバーには、誰もがそうした時期があるからね。ところが、その日、コーチングのために用意されていたフォーミュラV8 3・5で実際に走ってみると、彼は充分に速かった」

 ディルマンは2016年にフォーミュラV8 3・5でチャンピオンに輝いている。そのディルマンに対して、牧野はいきなり同等以上のラップタイムを刻んだ。しかも、牧野の走行時はDRSにトラブルを抱え、最高速が伸びないなかで出したタイムだった。

「僕が思うには……」とディルマンは語り出した。

「マキノの走りは“Vスタイル”だ。ブレーキを奥まで我慢して、一気に減速。エイペックス付近でクルッと姿勢を変えて、そこから直線的に立ち上がる走りだ。ハンコックタイヤの特性とF3のダウンフォースレベルでは、その走らせ方だとタイムが出づらい。つまり現在の欧州F3は“V”ではなく“Uスタイル”のほうがいいということ。だけど、ピレリタイヤになると話は変わる。逆に“U”ではなく“Vスタイル”のほうが適しているんだ」

 ピレリが採用されているF2で、経験豊富なチームメイトを上回るスピードを見せるルーキー牧野。とくに予選一発でその傾向が顕著に見られることは、ディルマンの話で納得がいく。

ピレリタイヤをめぐる証言


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