なお、報道によればアストンマーチンのDTM参戦はワークスではなくカスタマーチームベースとなる見込み。現在のレギュレーションではワークスのみの参戦が規定されているため、DTMはこのレギュレーション改定に向けて努力を続けるとしている。
この規定条文の改定と、新たに適用範囲が拡大された共通パーツや共通エアロの導入により、近年のワークスチームでおよそ250万ユーロ(約3億2000万円)に達するという年間車両開発予算は20%以上削減される見込みで、活動予算が増大しているDTMワークスチームと、新規カスタマーチームとの格差解消が狙えるという。
新ブランドのシリーズ参戦は、メルセデスが去った後のBMWとアウディにとっても歓迎すべき話題となり、シリーズの存続が担保される可能性が高められる。
「BMWやアウディとも、来季以降に向けグリッドの台数拡大を目指した話しあいを続けている。もちろん既存のワークスチームに加えて、新たにカスタマーチームの参戦を認めることも検討の対象となっていて、彼らがカスタマーチームに関与することも戦略として考えらえる」とベルガー。
■WRC“絶対王者”オジエ、メルセデスからスポット参戦との報道も
また今季限りでシリーズを去るメルセデスAMGは、9月21~23日に開催予定のオーストリア・レッドブルリンク戦でワイルドカード参戦枠の使用を予定しており、そのドライバーにWRC世界ラリー選手権で5年連続のチャンピオンに輝いているセバスチャン・オジエを起用する構想を練っているとも報じられた。
ワイルドカード参戦枠では、5月の開幕戦でマティアス・エクストロームが“DTM”引退記念興行”として参加。またBMWは8月24~26日のイタリア・ミサノ戦でアレックス・ザナルディの起用を発表している。
現在のDTM規定ではシーズン終盤の3戦にゲスト車両のエントリーは認められないとされているが、メルセデスAMGはアウディやBMW、そしてドイツのモータースポーツ連盟であるDMSBへの要請を経て、例外としてこのプランを実現させたい構えだ。
オジエ自身はかつて、2013年にアウディRS5 DTMのテストを行っており、昨年には2011年型のレッドブルF1マシン、RB7のステアリングも握っている。