日曜日のレースデイ。今年からロードコースのレースでは決勝日朝のウォームアップが廃止になり、いきなり決勝レースに臨むことになる。
琢磨は「ウォームアップがなくなると予選の後にマシンを決勝に向けて合わせ込む作業がなくなってしまい、結局リソースの大きいチームが有利になってしまう」とこのルールに否定的だ。
そしてその心配も現実のものとなってしまうのだった。
レーススタートでうまいポジション取りで5~6番手まで浮上していた琢磨。その後2周目には5番手を走行中に、ターン4でプッシュ・トゥ・パスを使ったチルトンが琢磨のインにダイブ!
チルトンのノーズが琢磨の右リヤタイヤに接触し、琢磨はその場でスピン。大きくポジションを落とした。
17番手からのリカバーとなったが、琢磨は後続集団に入るとペースが上がらず、順位がこう着してしまった。チームはピットのタイミングを変えて10周目にピットインし、ブラックタイヤに履き替えた。
このブラックタイヤでも琢磨のペースは上がらなかった。20番手前後の順位を上がったり、下がったりして周回を重ねた。
ようやくペースが戻ったのは、62周目に最後にレッドタイヤを装着してからで、前の数台は抜いたものの上位を伺うには程遠く、ラップダウンとなってからは、焼け石に水だった。
90周のレースをラップダウンの17位で終えた琢磨。チームメイトのグラハムも9位止まりでレイホール・レターマン・ラニガンとしては地元で惨敗という結果だった。
「ミラーでチルトンが来ているのはわかっていたんですけどね。あの接触は本当に残念。ブラックタイヤに変えてからもグリップが足りずペースが上がらなくて苦労しました。昨日の予選の後、決勝に向けてセッティングを変えたのですが、それが良い方向には働かなかったですね。グラハムも上位に上がっていけなかったし、このような形で終わってしまったのは残念です」と悔しがる。
インディカーはこの後2週間のインターバルを置いて、最後の3連戦が待っている。琢磨が流れをもう一度取り戻し表彰台に返り咲くことを期待したい。