そして70周を走破したトレルイエは「このテストは、僕にスーパーGTやLMP1での日々を思い出させてくれた」と振り返った。
「とくに高速コーナーでの速さとダウンフォースは懐かしいね。以前、タクシーライドでRS5 DTMをドライブした経験があるけど、そのシチュエーションとは比べられない。セットアップを微調整して自分のスタイルに合わせていく作業は心の底から楽しかった。アウディスポーツとチーム・ロズベルグの完璧なオーガナイズに感謝したい」
2019年型スペックの直噴ターボモデルをテストしたマイク・ロッケンフェラーとニコ・ミューラーは、ロッケンフェラーが2日間で211周、ミューラーが1日で118周と、こちらも充実のマイレージを重ねた。
アウディスポーツでプロジェクトリーダーを務めるアンドレアス・ルースも「前回のエストリルに続き、ここへレスでも充実のテストをこなすことができた」と、テスト成果の充実度を口にした。
「まず7人のルーキー全員が素晴らしい仕事をし、その誰もがRS5 DTMのパフォ−マンスに驚き、笑顔を見せているのがとてもうれしかった。とくにセルゲイ・シロトキンのように最新のF1を経験しているドライバーでさえ、マシンを降りて興奮している様子を見られるのは楽しいものだね」
「19年型の開発車両では多くのテスト項目を確認することもできた。この3日間で1457kmのマイレージを走破し、大きな問題も発生していないのは良い兆候だ。この長いウインターブレイクの期間でテスト結果を分析し、プログラムの進捗に役立てるとともに、(2019年)3月のへレス(DTM公式プレシーズンテスト)により良い形で参加できるよう取り組んでいきたい」
そしてこれが公式なDTMでの最終セッションとなったメルセデスAMGは、2018年にワークスドライバーを務めたダニエル・ジュンカデラを基準に、ジェイク・デニス、ジェイク・ヒューズ、トーマス・プレイニング、そしてアウディのテストにも参加したフェルディナンド・ハプスブルグの4名を走らせた。
このメルセデスAMGを引き継ぐ形で2019年からシリーズに参入するアストンマーチンは、メルセデス陣営の前線部隊を担ったHWAとRモータースポーツがチーム運営を行う予定。現時点で2019年型のクラス1車両はHWAとスイスのAFレーシングが協業で製作作業にあたっており、その完成は3月のへレステスト直前になるとみられている。