「つまり、チーム全体がこのテストを実現するために懸命な努力と作業を続けてくれた証だ。これまでライバルとして戦ってきたトリプルエイトの偉大さを痛感したよ」と、移籍決断の決め手ともなったサテライト契約の効果を強調したウインターボトム。
「このわずか10ラップだけでも、ドライバーとして本当に多くのビルドアップが実現できた。マシンを自分のモノにするには、わずかな積み重ねが重要だ。この期間にマシンを整え、1ラップに集中し、正しい準備を重ねて、シートポジションを確認し、ステアリングセンターとアライメントを調整する。こういうわずかなエルゴノミクスの蓄積が勝負を分けるんだ。2月のVASC公式テストに向け、僕らは準備万端だよ」
このテストにはホールデンのファクトリーチームであるレッドブル・レーシング・オーストラリア(RBRA)から“セブンタイムス・チャンピオン”ジェイミー・ウインカップのエンジニアを務めるデビッド・カウチや、アンドリュー・シンプソンを含むトリプルエイトのメンバーも参加した。
またウインターボトム自身も、このテストに先立つ月曜には同じくクイーンズランド州バンヨーに位置するトリプルエイトのファクトリーを訪問し、かつてのライバルだったチームの施設で入念なミーティングも行っている。
「このシャシーはまさにRBRAで保管されていたプロトタイプで、フォードとの違いは確実に存在する。確かに別モノだね。でもフォードの長所とホールデンの個性をミックスし、より強いマシンを仕上げることが僕の仕事だし、それこそ自分にしかできない武器だと考えている」と、37歳の王者経験者。
「マシンは2018年にシリーズを席巻したパフォーマンスを感じさせてくれたし、悪いドラマもなく本当に快適に走ることができた。このクルマでレースするのが今から本当に楽しみだ」