スウェーデンの古豪ウエスト・コースト・レーシング(WCR)が、2019年にTCRヨーロッパ・シリーズにフル参戦することを表明。かつてTCRインターナショナル・シリーズをともに戦ったジャンニ・モルビデリが2年ぶりにチームに復帰し、オリー・カンガスとの2台体制でフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRを投入する。
2018年は地元STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権と、初開催のTCR UKシリーズを主戦場としてきたWCRは、それらのプログラムに加えてTCRヨーロッパ最終戦のバルセロナ・ラウンドにもスポット参戦。
2017年BTCCイギリス・ツーリングカー選手権王者のアシュリー・サットンと、TCR UKでレギュラーを務めたアンドレアス、ジェシカのバックマン兄妹を起用し、サットンが表彰台を争う好パフォーマンスを披露していた。
またWCRは、WTCR世界ツーリングカー・カップの前身となるTCRインターナショナル・シリーズが開催されていた3シーズンすべてに参戦し、モルビデリをエースに擁立。シリーズがWTCC世界ツーリングカー選手権と併合しWTCRに生まれ変わった2018年は、チーム・ミュルザンヌに移籍してTCR最高峰シリーズに挑戦していたモルビデリが再びチームに合流し、WCRの欧州シリーズ挑戦を後押しすることになった。
「なにより、WCRにカムバックできて幸せだ」と喜びを語る元F1ドライバーのモルビデリ。
「私には彼らとともに過ごした3シーズンの素晴らしい思い出がある。この競争が激しい欧州シリーズでゴルフGTIをドライブできるのは大きな喜びだ。この機会を与えてくれた(代表の)ディック・ジョンソン-ウィグロースには感謝しているし、尊敬する友人と仕事ができるのはいつだって楽しいものだ」
そのモルビデリの賛辞に応えたチーム代表のディック・ジョンソン-ウィグロースも「彼がチームに戻ってきてくれたことを心から喜んでいる」と、今季に向けた展望を語った。
「彼はこれまで以上に高いモチベーションを見せているし、我々はそんな男とトラック内外で仕事ができることをいつだって楽しんでいる。TCRヨーロッパは最も競争の激しいTCRシリーズのひとつであり、我々は勝負に参加することを楽しみにしている。そして(オリー)カンガスを迎えられたこともうれしい。彼ならシリーズにいくつかの驚きをもたらせると信じている」
今季モルビデリのチームメイトを務めるフィンランド出身のカンガスは、LMSレーシングからSTCCに参戦。昨季は同チームのセアト・クプラTCRをドライブしていた。
「TCRスカンジナビア(STCC)での数シーズンを経て、WCRとともにTCRヨーロッパ進出を決めることができて本当に興奮しているんだ」と、抱負を述べた22歳のカンガス。
「シリーズで戦うトラックはこれまでとまったく異なり未知の領域だけど、それを学ぶのも楽しみだ。そしてこれほど経験と知識の豊富なチームと一緒に仕事ができるのも光栄だし、チームメイトのジャンニからもあらゆることを吸収したいと思っているよ」