5月24日(金)、FIA-F2第4戦モナコのレース1が行われ、ARTのニック・デ・フリースが優勝を飾った。松下信治(カーリン)が3位に入賞していたが、2位のルカ・ギオット(ユニヴィルトゥオーシ)が車検により失格となったため、繰り上がりで2位を獲得している。
予選で3番グリッドを獲得したニコラス・ラティフィ(ダムス)は、フリー走行の際にピットレーン出口のシグナルが赤だったもののコースへ出てしまったとして、3グリッド降格ペナルティを科された。また19番手のタチアナ・カルデロン(BWTアーデン)はピットレーンスタートとなっている。
金曜日の朝にはモンテカルロで雨が降り、路面は一部濡れている状態だったが、気温18度、路面温度は24度というコンディションのなか、ドライコンディションでのレースとなった。ところがスタート直前にカラム・アイロット(ザウバー・ジュニアチーム)のマシンのエンジンが止まってしまい、フォーメーションラップを2度行うことに。これによりレースの周回数は1周少ない41周となった。
ポールポジションからスタートしたニック・デ・フリース(ART)を先頭でターン1に向かい、ルカ・ギオット(ユニヴィルトゥオーシ)、セルジオ・セッテ・カマラ(ダムス)というトップ3に。9番グリッドの松下信治(カーリン)はスタートを決め、6番手に浮上。大きな混乱もなくオープニングラップを終えた。
3周目、ミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)が4番手にポジションを上げたアントワーヌ・ユベール(BWTアーデン)をオーバーテイク。シューマッハーはファステストラップも記録し、前を走るセッテ・カマラを追うこととなった。
スーパーソフトタイヤを履くジャック・エイトケン(カンポス)が6周目にピットイン。その間コース上ではユベールの背後に松下が迫っていたが、そのユベールも8周目にピットへ向かった。
タイヤ交換を行ったドライバーのなかでトップとなったシューマッハーは、背後に迫るラティフィとのポジション争いを繰り広げていた。車体の半分を縁石に乗せながらもヘアピンでシューマッハーのイン側を狙ったラティフィだったが、シューマッハーと接触。ラティフィはフロントウイングにダメージを負ってしまい、2度目のピットストップを強いられた。
その後シューマッハーは、ピットストップをせずに走り続けていた9番手のタチアナ・カルデロン(BWTアーデン)を狙っていた。ところが20周目、シューマッハーはターン18(ラスカス)でカルデロンのインを狙ったが、シューマッハーのフロントタイヤとカルデロンのリヤタイヤが接触し、カルデロンがスピン。2台はコースを塞ぐ形で止まってしまった。これにより後続車もコース上でストップせざるを得ず、レースは赤旗中断となってしまった。なお、シューマッハーには接触の原因を作ったとしてドライブスルーペナルティが科された。
これで全車が一度ピットレーンへ戻り、レース再開を待った。ピットレーンではマシンを正しい順位に並べ替え、30分近い中断を経て、セーフティカー(SC)先導で21周目にレースが再開した。
22周目にはSCがピットへ戻り、本格的にリスタートが切られた。トップのデ・フリースは早くも2番手のギオットに対して1秒前後のギャップを築く。その後ろでは松下がセッテ・カマラに接近するが、松下の背後にはアルテム・マルケロフ(MPモータースポーツ)も迫っていた。
再開後はコース上の各地でポジション争いが繰り広げられた。上位を走るマシンは周回遅れのマシンを処理しながら走行を続けるなか、松下が再びセッテ・カマラに迫っていた。後方ではターン18でゲラエルとラティフィが接触。ラティフィにはドライブスルーペナルティが科され、ゲラエルもここでレースを終えた。
35周目を終えて、2番手のギオットと4番手の松下がタイヤを交換。翌周にはデ・フリース、3番手のセッテ・カマラもピットストップを行い、デ・フリースがトップ、2番手がギオットと、上位2台の順位は変わらなかった。だがその後ろでは松下がセッテ・カマラを逆転し、3番手に浮上した。
レース終盤の39周目、ヘアピンでジャック・エイトケン(カンポス)の後ろからマハベール・ラフ─ナサン(MPモータースポーツ)が接触。さらにはファン-マヌエル・コレア(ザウバー・ジュニアチーム)もクラッシュを喫し、このレース2回目のSCが出動した。
40周目にはSCがピットに戻り、ファイナルラップにレースが再開。デ・フリースがトップの座を守り、今シーズン2勝目を挙げた。ギオットが2位、松下が3位に入賞し今シーズン初の表彰台を獲得した。また松下は38周目にファステストラップも記録している。
なお、ギオットはレース後の車検により失格。繰り上がりで松下が2位、セッテ・カマラが3位となった。
その結果、4位以下ドリアン・ボコラッチ(カンポス)、チョウ・グアンユー(ユニヴィルトゥオーシ)、アルテム・マルケロフ(MPモータースポーツ)、ルイス・デルトラズ(カーリン)、ユベール、ラルフ・ボスチャング(トライデント)、ニキータ・マゼピン(ART)までが入賞となっている。
■FIA-F2第4戦モナコ レース1 リザルト
Pos | No. | Driver | Team | Time/Gap |
---|---|---|---|---|
1 | 4 | N.デ・フリース | ART | 1h30’56.153 |
2 | 2 | 松下信治 | カーリン | 0’04.046 |
3 | 5 | S.セッテ・カマラ | ダムス | 0’05.47 |
4 | 14 | D.ボコラッチ | カンポス | 0’09.12 |
5 | 7 | Z.グアンユー | ユニ ヴィルトゥオーシ | 1’02.548 |
6 | 16 | A.マルケロフ | MPモータースポーツ | 1Lap |
7 | 1 | L.デルトラズ | カーリン | 1Lap |
8 | 19 | A.ユベール | BWTアーデン | 1Lap |
9 | 21 | R.ボスチャング | トライデント | 1Lap |
10 | 3 | N.マゼピン | ART | 1Lap |
11 | 20 | G.アレジ | トライデント | 1Lap |
12 | 6 | N.ラティフィ | ダムス | 1Lap |
13 | 9 | M.シューマッハー | プレマ・レーシング | 1Lap |
14 | 18 | T.カルデロン | BWTアーデン | 2Laps |
15 | 17 | M.ラフーナサン | MPモータースポーツ | 2Laps |
16 | 12 | J.コレア | ザウバー・ジュニアチーム | DNF |
17 | 15 | J.エイトケン | カンポス | DNF |
— | 8 | L.ギオット | ユニ ヴィルトゥオーシ | 0’03.049 |
— | 10 | S.ゲラエル | プレマ・レーシング | DNF |
— | 11 | C.アイロット | ザウバー・ジュニアチーム | DNS |