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海外レース他 ニュース

投稿日: 2019.06.03 13:39

インディカー第8戦デトロイト:ディクソンが前日のミスを取り戻す今季初勝利。追い上げを見せた琢磨は接触に泣く

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海外レース他 | インディカー第8戦デトロイト:ディクソンが前日のミスを取り戻す今季初勝利。追い上げを見せた琢磨は接触に泣く

 ダブルヘッダー戦で行われたインディカー・シリーズのデトロイト戦。2日に行われた第8戦は、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が今シーズン初勝利を挙げた。

 今年が30回目の開催となったデトロイト・グランプリ。ダブルヘッダーのレース2を制したのはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。

 昨日のレース1では終盤にクラッシュし、最下位の22位という結果だったディクソンだったが、レース2では予選6位から序盤にしてトップに躍り出て、作戦も見事だったことにより、70周のレースの44周をリードして今季初勝利。通算45勝目に手を届かせることとなった。

 デトロイトではこれで3勝目。エリオ・カストロネベスと並ぶ同イベント最多勝利ドライバーとなった。ポールポジションこそ逃したディクソンだったが、レースでのフルポイントである53点を稼いだディクソンは、ポイントスタンディングをレース前の5番手からひとつ上げて4番手となった。ポイントトップとの差は53点だ。

インディカー第8戦デトロイト決勝スタート
インディカー第8戦デトロイト決勝スタート

 昨年もディクソンはデトロイトでシーズン初勝利を挙げた。それは今年と違ってレース1だったが、その後にトロントで勝ち、コンスタントに上位フィニッシュを重ねた結果、通算5回目のインディカー・タイトルを獲得した。

 今シーズンも彼はデトロイトでの勝利で勢いを掴み、6回目のタイトルを実現することになるかもしれない。

「昨日のアクシデントは残念だった。今日はそのミスを取り返すことが目標で、それを最大限達成できた。チームの作戦力のおかげだ。自分も全力で走った」

「マシンは最高のレベルに仕上がっていた。燃費とスピードを両立させるのは難しかったものの、それを実現したからこそ勝利をつかむことができた。とても嬉しい。噴水にも喜んで飛び込むことができたよ」とディクソンは語った。

 チームのクルーたちとともに、ディクソンはデトロイトウイナーの間で恒例になりつつある噴水へのジャンプを行った。

今季初勝利を挙げたスコット・ディクソン
今季初勝利を挙げたスコット・ディクソン

 2位でゴールしたのは、元F1ドライバーで、今年からインディカーに参戦しているマーカス・エリクソン(アロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。

 ディクソンを脅かすだけのスピードを最後に持ち合わせてはいなかったが、3位に浮上したウィル・パワー(チーム・ペンスキー)に逆転のチャンスを与えないペースは保ってゴールした。トップとの差は1.9419秒だった。

 彼のインディカーでの初表彰台となる2位は、もちろんキャリアベストのリザルト。アロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツにとっても今季初の表彰台となった。

初表彰台を獲得したマーカス・エリクソン(アロウ・シュミット・ピーターソン)
初表彰台を獲得したマーカス・エリクソン(アロウ・シュミット・ピーターソン)

「2013年のGP2以来となる表彰台だ。嬉しい。ハードワークをこなしてくれているチームの全員に深く感謝したい」

「自分のミスで好成績を逃したこともあった。不運にも見舞われた。今日、こうして2位でゴールできたのをきっかけとして、これからはより力強く戦い、コンスタントに上位でフィニッシュできるようにしたい」とエリクソンは喜んでいた。

 3位はウィル・パワー。序盤のフルコースコーション中にエンジンストール。セーフティ・クルーが駆け寄り、エンジンがかってギリギリで周回遅れに陥らずい済んだ彼は、粘り強く戦い続けて表彰台にたどり着いた。

「表彰台に上れるなんて信じられない。凄い1日になった。序盤のアクシデントの後にギヤが入らなくなり、エンジンのリセットなどを行っていたら、突然エンジンがストール。あの時には、もう今日はダメだと思った」

「しかし、セーフティクルーによってギリギリでエンジンがかかった。そして、その後はとても満足の行くレースを戦うことができた」とパワー。

第8戦デトロイト表彰台
第8戦デトロイト表彰台

 昨日のレース1で優勝、シーズン2勝目を挙げてポイントリーダーに復活したジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は、ジェイムズ・ヒンチクリフ(アロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)をパスしようとしてアクシデント。19位に沈んだ。それでもポイントリードはキープしている。

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、予選16番手から着々と順位を上げていき、3番手にまで浮上。しかし、ピットストップに時間がかかって後続の接近を許し、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)にパスされ、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)にも抜かれてしまった。

 さらには、終盤のリスタートでルーキーのフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)に並びかけられ、彼と接触。タイヤがパンクして上位でのゴールは不可能になった。それでも5周を残してローゼンクヴィストがクラッシュ。赤旗の後に切られたリスタートの後に2台をパス、13位でゴールした。

「本当に悔しい。レース展開を味方につけて上位までいけていたのに……」と琢磨は話し、「でも、結局は自分たちのマシンにスピードがなかった。そこを改善しないとならない」と今回見つかった課題の克服を目指すことを誓っていた。

佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)


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