そして週末最後のヒートとなったレース3は、そのシルベストとマティアセンを従えてジェンセンがふたたび勝利を手にし、3戦2勝の完璧なシーズンスタートに。この結果を受け、Massive Motorsportはレース終了後にジェンセンとの契約を2021年末まで延長するとアナウンスした。
「彼らと引き続き戦えることがうれしい。来季は海外に遠征するオプションについても話し合った。チームは僕に本当の安心感を与えてくれるし、心から感謝している。何もかもが空中でバラバラになったチームにいると、クルマに乗り込んだとき強いストレスが生じる。だからこそ、チームが機能していることは本当に重要なんだ」と語ったジェンセン。
一方、この開幕戦のみのスポット参戦で週末に臨んでいた女性ドライバーのミシェル・ガッティング(プジョー308 TCR/Markussen Racing)だが、レース1、レース2ともにブレーキトラブルに見舞われる不遇で、レース3でもクラッシュを喫する無念の結果となった。
「11番グリッドからのスタートだっけど、ターン1ですでにブレーキがなくなった。その瞬間、他のドライバーを避けるためにできる限りのことをした」と語った、ル・マン24時間経験者で、今季もELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズでフェラーリ488 GTEをドライブする予定のガッティング。
「完全に無力な状態は信じられないほど恐ろしい経験ね。誰にもぶつからないようにしつつ、ほとんど乗客のような気分で祈っている状態よ。でもそれがストレートで起こってラッキーだった。まっすぐグラベルに入って、タイヤバリアからあと数インチのところで止まったの」
これでマシンに大きなダメージを負うことなくレース2に復帰したガッティングのプジョーだったが、今度は高速コーナーのターン17で同じトラブルに見舞われ、目前にいたフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRと接触しながらクラッシュを喫した。
「頭と首に強い衝撃を受けたせいで、レース後の今も痛みが残っている。今もチームはマシンの調査を続けているけど、週末は私たちの誰もが望んでいたこととはかけ離れた方法で終わった。でも今、私は何の怪我もなくトラックを離れることができて本当に良かったと思っている」
続くTCRデンマーク第2戦は、開幕戦と同じくFDMユランズリングを舞台に、9月5~6日に実施される。