TCRスカンジナビア・シリーズこと、STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権の2020年第3戦が10月2~3日、スウェーデンが誇る伝統のトラック、マントープパークを舞台に争われ、予選最速だったトビアス・ブリンク(アウディRS3 LMS/ブリンク・モータースポーツ)がオープニングから連勝。最終ヒートでもハンス・モーリン(アウディRS3 LMS/ブリンク・モータースポーツ)がシリーズ初優勝を飾り、マティアス・エクストロームが持っていた史上最年少優勝記録を更新するなど、アウディRS3 LMSが猛威を振るう週末となった。
全4戦へと規模が縮小された2020年のSTCCも第3戦を迎え、この2020年からSTCC参戦を果たした2012年WTCC世界ツーリングカー選手権王者のロブ・ハフ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/レストラップ・レーシング)や、その僚友となる若手有望株のオリバー・セーデルシュトレーム(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/レストラップ・レーシング)らが席巻した開幕戦に続き、シェレフテオのドライブセンターアリーナで開催されたシリーズ第2戦では、新型『クプラ・レオン・コンペティションTCR』をドライブするPWRレーシングの王者ロバート・ダールグレンが2戦連続ポール・トゥ・ウインと主役が交代。その流れを受けるかのように、この第3戦では2019年チーム王者のブリンク・モータースポーツが躍進し、アウディRS3 LMSがスピードを披露する。
レース1、レース2に向けた予選で他を圧倒したのは、この日の早朝に父親になったばかりのブリンクで、2番手セーデルシュトレームのゴルフGTIをコンマ6秒も突き放す圧巻のタイムでポールポジションを獲得。両レースともに視界良好のグリッドを手にした。
「僕らの小さな家族、クララが誕生したのは午前2時。そこから今日の1日は始まった」と、2重の喜びを語ったチーム共同代表も務めるブリンク。
「いつものような思考回路ではなく、正直に言えば“心ここにあらず”の状態だったから、こうしてポールを獲得できたのは本当に良かった。たまにはこうして頭を使ってドライブするのを辞める必要があるんだね(笑)」
「Q2は1アタックにしたけど、走り出してすぐに“獲れる”と感じた」