11月20日に決勝レースが行われた第63回マカオグランプリ。走行初日から好調で、優勝も見据えた戦いをみせた山下健太(スリーボンド・ウィズ・Tスポーツ)だが、惜しくも届かず4位フィニッシュでレースを終えた。
今季、悲願の全日本F3チャンピオンを決めた山下は、慣れ親しんだトムスではなく、新たなチャレンジとしてスリーボンド・ウィズ・Tスポーツから参戦。イギリスのチームだけにやり取りも英語で、事前にイギリスのシルバーストンにもテストに向かい、このマカオに挑んだ。
「F3の集大成」として挑んだマカオで、山下は走り出しから絶好調。今季スリーボンドエンジンはヨーロピアンF3では不調だったが、このマカオではフォルクスワーゲンエンジンやメルセデスエンジンと遜色なく、山下は一躍優勝候補のひとりとして認識されるようになった。
19日の予選レースでは、惜しくも表彰台に届かず4位。ただ、スタートから抜きどころであるリスボア・ベンドの進入までの攻防を考えると、フロントロウはスリップストリームを使われ逆に不利となる。予選レース後、山下は「優勝を狙います」と宣言してくれていた。
迎えた20日の決勝。スタート後のリスボアでは、予想どおりトップは混戦となる。ポールポジションスタートのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(カーリン)、そしてセルジオ・セッテ・カマラ(カーリン)、カラム・アイロット(ファン・アメルスフールト)の3台がスリーワイドで突入するが、山下は無闇に飛び込むことをせず、冷静にアウトにはらんだアイロットをパス。これで3番手に浮上した。