長い夏休みが明けたSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権の2021年第3戦が、8月21~22日にゲラーローゼン・アリーナことカールスクーガで開催され、PWRレーシングのロバート・ダールグレン(クプラ・レオン・コンペティションTCR)が6戦連続ポールポジション獲得とブレイク明けも好調を維持し、僚友ミカエラ-アーリン・コチュリンスキー(クプラ・レオン・コンペティションTCR)を従えて、2ヒート連続の1-2フィニッシュを達成した。
一方、週末最終のレース3では、前週に同地で開催されたインシーズン“サマー”テストから、ハンス・モーリンの後任としてブリンク・モータースポーツに新加入のケビン・エングマン(アウディRS3 LMS)が、チーム代表のトビアス・ブリンク(アウディRS3 LMS)とともにこちらも1-2を決め、シリーズデビュー戦で早くも初優勝を手にしている。
今季開幕から6戦4勝、全レースで表彰台を記録するなど、自身3度目のタイトル奪還に向け視界良好のダールグレンだが、このラウンドでもSTCC独自の“サクセスバラスト”搭載が課され、全車中最大となる50kgの重りが載せられた。
しかしレース1のグリッドを確定する予選Q1でも1分05秒348と最速タイムを刻んだダールグレンは、続くレース2向けのQ2でもさらにタイムを縮める速さを見せ、1分05秒295とラップレコードを更新するタイムで今季100%、6戦連続の最前列を確保して見せた。
明けた日曜のレース1でもダールグレンが盤石のスタートを決めてターン1を制すると、その背後ではフロントロウ2番手につけていたミカエル・カールソン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/レストラップ・レーシング)を出し抜き、2列目3番手だったコチュリンスキーが先輩の背後に浮上。
事前テストで最速を争ったコチュリンスキーとカールソンふたりの勝負は、スタートからその結果どおりの展開となり、テスト最速だった彼女が前に出て、PWRが早くも1-2体制に持ち込んでいく。
そのカールソンはスロースタートにより、マティアス・アンダーソン(リンク&コー03 TCR/MA:GP)やオリバー・セーデルシュトレーム(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/レストラップ・レーシング)らにも先行され一時5番手に下がると、ここから中段勢による肉弾戦が勃発。