5月28日(土)にスタートが切られたADACトタルエナジーズ24時間レース(ニュルブルクリンク24時間)は、現地29日(日)明け方4時にレースの折り返しとなる12時間が経過。現在の総合トップはイェッセ・クローン駆るシューベルト・モータースポーツの20号車BMW M4 GT3(クローン/アレクサンダー・シムズ/イェンス・クリングマン/ニクラス・クルテン組)だ。
晴天に恵まれたニュルブルクリンク24時間の決勝日。気温13度、路面はドライという好コンディションのなか、レースは例年どおり3つのグループに分かれてスタートが切られた。その先頭グループでは、前日のトップ・クオリファイでポールポジションを獲得した26号車フェラーリ488 GT3エボ(オクタン126)がトップを守りグランプリコースから北コース“ノルドシュライフェ”へと入っていく。
しかしフェラーリのリードは長くは続かず。レース開始から約20分後、3番手グリッドからスタート直後にひとつポジションを落としながらも、コース上で3台を交わした7号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(コンラッド・モータースポーツ)がトップに浮上にする。さらに、一度は7号車に抜かれた99号車BMW M4 GT3(ローヴェ・レーシング)がこれを交わして首位に立った。
■ファントール兄弟によるバトルは苦い結末に
各車が1回目のピット作業を終わらせると5周目にピットに戻った“アンダーカット”組が上位に並び、90号車アストンマーティン・バンテージGT3(TFスポーツ)がトップを奪うことに成功する。
コード60違反のペナルティによりグループ1最後尾からのスタートとなっていた、前年王者1号車ポルシェ911 GT3 R(マンタイ・レーシング)も同様の戦略で3番手に順位を上げると、スタートから1時間30分後にアストンマーティンを交わして総合首位に躍り出た。
その後、90号車アストンマーティンがポルシェから首位を奪い返してレースが進んでいく。一方、5番手まで順位を落とした1号車は15号車アウディR8 LMSエボII(アウディスポーツ・チーム・フェニックス)と4番手争いを展開。兄ローレンス(マンタイ)と弟ドリス(フェニックス)による“ファントール兄弟”バトルが繰り広げられたが、その結末はショッキングなものとなった。
ロングストレート“ティアガルテン”でサイドバイサイドとなった2台は、何度か接触を繰り返した後、最後のヒットでポルシェが姿勢を乱し、勢いを殺せぬままガードレールに激しくクラッシュしてしまう。幸いにもローレンスは無事だったが、前年王者の連覇を懸けた戦いは日没前の時点で終わってしまった。