9月3日、2022年FIA F2の第12戦ザントフォールトのスプリントレース(決勝レース1)が開催され、マーカス・アームストロング(ハイテックGP)が今季3勝目を飾った。2位はクレモン・ノバラック(MPモータースポーツ)、3位はレッドブル育成のデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)が獲得した。
フロントロウスタートからターン1のホールショットを奪い、そのままトップを守り続けたアームストロングは「先頭を走っていたけれど、決して簡単なレースではなかったよ」と、決勝レース1終了直後の記者会見で語り始めた。
「FIA F2では、いつトラブルが起きてもおかしくないからタイヤをしっかりとケアする必要があるんだ。“タイヤマネジメントは僕の人生のテーマ”でもあるけれど、このようなサーキットではなおさら重要だ。いつポジションを落としてもおかしくない状況が続いたから、とにかくリミットを守り、クレモンとのギャップをコントロールすることが大切だった。そしてスタートと、終盤のリスタートも重要だったね。そのふたつをクリアして今があるんだ」
「今シーズンの僕の強みはスタートだと思う。でも右側の路面はダーティだったからクレモンを抜けるとは思っていなかったけれど攻略できた。それはエンジニアがスロットルとクラッチマッピングを正しく設定してくれたおかげなんだ。あとはひたすら走るだけ。だから勝てたことは本当にうれしい。レースがどう転んでもおかしくなかったからね」
「(オーバーテイクを増やすには)戦略を変えれば可能性があると思う。明日はタイヤのデグラデーション(性能劣化)もそうだけど、ドライバーのデグラデーションも重要になってくると思う。タイヤ交換でグリップが20%ほど上がるから難しいコースになることは間違いない。明日はピットストップや戦略によって、もっとエキサイティングになるかもしれない。ピットレーンも非常に狭いので、あまり混乱しないことを期待しているよ」
これがFIA F2初表彰台となったノバラックはスタートで小さなミスがあったことを明かした。
「(スタートは)可もなく不可もなくと言ったところだったよ。プラクティスのスタートはとても良かったので、良い発進ができると思ったが、発進した直後にホイールスピンをしてしまったんだ」
「ターン1ではうまくいかず、アウト側に回り込もうとしたがマーカスに捉えられてしまった。それからは彼にプレッシャーをかけて可能な限り接近しようとしたけれど、1秒以内に入るとブレーキがフェードし始めてタイヤがオーバーヒートしてしまった。だから残念だけど、2位でゴールできたんだから良しとしているんだ」
「(セーフティカーからのリスタート時は)彼がもっと遅れてくると思っていたからリスタートは本当によくなかった。ちゃんとしたチャンスも、ちゃんとした走行もできなかったけど、燃料が少なくなった分ペースは全体的に良くなったと思う。だから明日はいいレースをしたいし、作戦を変えて自分たちのペースを見せたいね」
「(今シーズンの)レースペースはずっと強力だった。レースではつねに順位を上げてきたが、予選ではフルラップで走ることができなかったり、トラフィックや赤旗でちょっと不運だったと思う。それでもFIA F2へのステップアップはとても大きなチャレンジ、引き続きプッシュしていくよ」
今季4度目の表彰台を獲得したハウガーは「スタートが鍵になることはわかっていた。でも何が起こるかもわからないね」と語った。
「スタートは悪くなかったし、ターン1ではユーリ(ビップス/ハイテックGP)のアウト側に回り込むことができた。そしてターン2ではサイド・バイ・サイドになったけど、なんとかアウト側に回り込むことができた。序盤はペースが良かったけど、その後、前のふたりと比べると少し落ちてしまった。後ろのふたりもプッシュしていたから、すべてをまとめてクリーンな状態をキープするのが大変なレースだった。それ以外は、あまり大きなことは起こっていなかったから、そつなくレースをこなしてコース上でいい仕事をすることを心がけたよ」
「(後方から迫るリアム・ローソン/カーリンからのプレッシャーについて)このサーキットで真後ろに接近するのはかなり難しいんだ。メインストレートで0.7秒くらい離れていたような気がするけど、彼はあまりいいポジションにいなかったし、ただ僕のストレスになるようにとか、そういうことをやっていた。でも彼は、僕のストレスになる存在だったんだ。ただ自分のレースをすること、その時に自分でコントロールできることにだけ集中するよう心がけたんだ」