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海外レース他 ニュース

投稿日: 2023.04.26 11:40

フォード陣営NAPAレーシングUKが席巻。ヒョンデのトム・チルトンも4年ぶり勝利/BTCC開幕戦

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海外レース他 | フォード陣営NAPAレーシングUKが席巻。ヒョンデのトム・チルトンも4年ぶり勝利/BTCC開幕戦

 開幕前唯一となる公式プレシーズンテストに続き、英国らしい雨絡みの週末となったドニントンパークでの2023年BTCCイギリス・ツーリングカー選手権開幕戦は、フォード陣営のNAPAレーシングUKが席巻。予選では移籍組のダニエル・ロウボトムと元王者アシュリー・サットンがフロントロウを占拠し、決勝ではダン・カミッシュが最初と最後のヒートを制覇し“ダブル”を決めるなど、古豪モーターベース・パフォーマンスのフォード・フォーカスSTが猛威を振るっている。

 共通ハイブリッド機構導入2年目を迎えたBTCCは、昨季初タイトルを獲得したトム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)を筆頭に、シリーズ4冠のコリン・ターキントン(チームBMW/BMW 330e Mスポーツ)や、昨季FFへのスイッチ初年度ながらタイトル戦線に絡んだサットンなど、錚々たるメンバーを含む全27台が集った。

 そのハイレベルな攻防を予感させるかのように、シーズン最初のプラクティスからサットン、ターキントンと役者たちがきっちり最速を奪い合うと、続くFP3では今季限りで活動を休止したホンダ陣営の名門、チーム・ダイナミクスから移籍のロウボトムが僚友サットンを従えてのワン・ツーを記録する。

 こちらも今季最初の『トップ10シュートアウト』が実施された予選でも、後輪駆動のスバルとインフィニティで王座を獲得したチャンピオン経験者を従えて、ロウボトムが堂々キャリア通算3回目のポールポジションを奪取した。

「昨年は本当に大変な1年だったが、冬の間に多くの作業が行われた。それが報われたからこその、今日の最終的な結果さ」と、新天地移籍の成果を強調したロウボトム。

「2022年には自分が思っているほど速いかどうか、疑問に思うような最低点がいくつかあった。でもそうでないことを証明できて最高の気分だ。アッシュ(サットンの愛称)が限界を追求するためラップを失った点は僕に味方したが、ポールを獲得できて本当にうれしい。FP1のロングランでもフィーリングは良かったし、明日は少し混乱する天候を見抜くのが勝負どころだね」

賑わいが戻ったBTCC開幕戦。予選では移籍組のダニエル・ロウボトムと元王者アシュリー・サットンがフロントロウを占拠した
フロントロウを占拠したフォード陣営のNAPA Racing UKだが、レース1のスタートでは後輪駆動勢に対し出遅れる展開に

 その予言どおりとなった日曜の決勝は、ポールシッターが濡れたレース1スタートで出遅れ混乱の引き金になると、2台並んだフォーカスSTの間に鼻先を捩じ込んできた昨季のタイトルコンテンダー、3番グリッド発進のジェイク・ヒル(レーザーツール・レーシング・ウィズ・BMモータースポーツ/BMW 330e Mスポーツ)に弾かれるかたちで、サットンがグラスエリアを滑走。この際のダメージでピットに向かい、そのままリタイアを喫することに。

 同じくセカンドロウ4番手に並んでいたターキントンも、2番手に浮上した直後にオールド・ヘアピンでワイドとなり、ポジションを狙ったカミッシュとのコンタクトでトップ10圏外まで追いやられてしまう。

 セーフティカー出動を挟んだ中盤には、昨季までの旧BTCレーシング時代からエースを務めてきたジョシュ・クック(ワン・モータースポーツ・ウィズ・スターライン・レーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)が、今季よりチーム・ダイナミクスの技術支援も得て生まれ変わったチームを牽引すべく、トップ5を争う位置を走っていたが、ここでグラベルに捕まり万事休す。勝負は首位のヒルを追うカミッシュと王者イングラムの3台に絞られる。

 するとそこへ9番手発進だったルーキーのアンドリュー・ワトソン(カーストア・パワーマックスド・レーシング/ヴォクスホール・アストラBTCC)が印象的なペースでみるみるポジションを上げ、なんと優勝戦線に加わり4ウェイバトルを演じる勢いを見せる。

 レース21周のチェッカーまであとわずかとなった19周目には、ヒルのBMWに異変が生じ「油圧がわずかに低下」してペースダウン。これで首位を奪ったカミッシュが逆転のフィニッシュを決め、かろうじて2位を守ったヒルの背後では、ほぼサイド・バイ・サイドの白熱バトルを演じたイングラムが、躍動するルーキーをなんとか抑え切っての表彰台を確保した。

旧BTC Racing時代からエースを務めてきたジョシュ・クック(One Motorsport with Starline Racing/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)もコースオフで好機を逸する
昨季のタイトルコンテンダー、3番グリッド発進のジェイク・ヒル(Laser Tools Racing with MB Motorsport/BMW 330e M-Sport)をジリジリと追い詰めたダン・カミッシュ(NAPA Racing UK/フォード・フォーカスST)
ルーキーのアンドリュー・ワトソン(CarStore Power Maxed Racing/ヴォクスホール・アストラBTCC/左)がレース1で印象的なペースを披露した

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