オールトンパークで開催された6月中旬の第5戦を終え、短いサマーブレイクに突入しているBTCCイギリス・ツーリングカー選手権は、ドニントンパークのGPレイアウトにて7月4日にグッドイヤーのタイヤテストを実施。実に2002年以来となる同レイアウトでのBTCCのセッションでは、王者トム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)が貫禄のトップタイムを記録している。
ここ数年はショート版たるナショナル・レイアウトでレースを開催してきたBTCCだが、終日快晴に恵まれた今回のインシーズン・テストでは、8月26~27日開催の第8戦を見据えて通称“イースト・ミッドランズ・サーキット”でのテストとなった。
世界的な認知度の高いロング・レイアウトを6時間以上走行した1日では、参加した22台中、21台が午後のセッションでパーソナルベストを記録。ディフェンディングチャンピオンのイングラムが記録した1分33秒197というタイムは、午前のセッションでチームメイトのトム・チルトン(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)が計時した数字より0.5秒速く、2位となったアーロン-テイラー・スミス(カーストア・パワーマックス・レーシング/ヴォクスホール・アストラBTCC)を0.064秒差で上回る結果となった。
「良い1日だったし、とくに微調整や改善すべき点を見つけるなど、多くのことをやり遂げた」と満足げなイングラム。「数週間後の(7月29~20日の第6戦)クロフトを前に、クルマに戻ってリフレッシュするのはいつも良いことだ」
サーキット側の設備改修やレイアウト変更計画の影響も受け、約20年ぶりの走行となったGPレイアウトだが、イングラムも「ここに来て、このレイアウトを使用するのは2002年以来初めてだって!?」と驚きを表現した。
「そう考えると、ここドニントンパークGPサーキットでの1日は終わってしまったが、また8月にレースの週末にここへ戻ってくるのは楽しいだろうし、ファンもきっと喜んでいると思う。もちろん、その雰囲気も含めて本当に楽しむつもりさ」
一方、僅差の2番手に続いたテイラー・スミスは午前の16番手から大きく改善したタイムとなり、奮闘したリッキー・コラード(TOYOTA GAZOO Racing UK/トヨタ・カローラGRスポーツ)が3番手に。
さらに午前、午後と両セッションで最速の後輪駆動車となったウエスト・サリー・レーシング(WSR)のコリン・ターキントン(チームBMW/BMW 330e Mスポーツ)が上位3台に続き、現在ポイントリーダーのアシュリー・サットン(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)がトップ5に食い込んだ。ジェイク・ヒル(レーザーツール・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツ/BMW 330e Mスポーツ)はトラック上でのリキッド漏れで午前のセッション大半を失ったにもかかわらず6番手に続く結果となっている。