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海外レース他 ニュース

投稿日: 2023.07.11 17:02
更新日: 2023.07.11 17:04

雨天短縮の1.5マイルオーバル戦は好機を捉えたウイリアム・バイロンが今季4勝目/NASCAR第19戦

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海外レース他 | 雨天短縮の1.5マイルオーバル戦は好機を捉えたウイリアム・バイロンが今季4勝目/NASCAR第19戦

 プレーオフに向け大詰めに突入しつつある2023年NASCARカップシリーズ第19戦『クエーカーステート400 アヴェイラブル・アット・ウォルマート』は、降雨により短縮となったアトランタでの1.54マイル・スーパースピードウェイ決戦で、嵐が近づくのを読み切り見事な戦略勝ちを収めたウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が、今季シリーズ初の4勝目を獲得したドライバーとなった。

 歴史上初の試みとして、シカゴ市街地でのストリート戦となった前戦では、初参戦の豪州大陸王者“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンが、カップシリーズ60年ぶりのデビューウインを達成し世界に衝撃を与える週末となったが、カップシリーズのレギュラー陣営にとっては、ここからが別の意味での正念場に。

 シーズン残り少ないイベントのうちで勝利を挙げ、続くプレーオフへの進出権を確保できるか。さらにポイントスタンディングの当落線上に位置するドライバーにとっても、いかに大量ポイントを積み上げられるかが勝負に。その意味で、このジョージア州ハンプトンに位置する古典的高速オーバルでの一戦は、自らのカップドライバーとしての存在をアピールする重要な週末となる。

 そのスーパースピードウェイ戦を前に、NASCARはターン3からピットレーン・エントリーとなるアトランタのコース設計も考慮し、コーション中こそ全ボックスエリアのスピードリミットを統一したままとしたものの、アンダーグリーンの場合にのみボックスのセクションによって上限速度を引き上げることで、ラップダウンの危険性を回避する対応を採った。

 こうして始まった週末は、予選こそアリック・アルミローラ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が最速をマークして今季初、キャリア通算5回目のポールポジションを獲得。フロントロウにもライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が並び、背後の2列目にもチェイス・ブリスコ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)やジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が続くなど、フォード陣営が反撃の狼煙を上げるかに見えた。

 しかし日曜の決勝はステージ1こそブレイニーが制したものの、背後にはカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)、マーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)と、ライバル陣営がヒタヒタと迫る展開に。

 そんななか、トップ5圏内を伺いながらステージ2序盤の80周目にスピンを喫していたバイロンは、ピットロードへ入る前にラップダウンへと転落し、この時点で詰め掛けたファンの誰もが「今日の優勝候補からは外れた」と思われていた。

 しかし92周目に僚友ラーソンを起点としたコーションで同一周回に復帰したバイロンは、続く125周目にタイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)らトヨタ陣営の3台と、ロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)らを含むターン2での“マルチタングル”の発生を受け、すかさずコーションのもと「ピットロードへ飛び込むよう」24号車に指示が飛ぶ。

 これによりバイロンは、隊列の半分以上がピットを引き延ばしていた状況も逆手に取り、アレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)とデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が絡んでイエローコーションでのステージ2フィニッシュとなった後、165周目からのファイナルステージに向け、なんと4番手のリスタートポジションを手にいれる。

予選ではアリック・アルミローラ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が最速をマークして今季初、キャリア通算5回目のポールポジションを獲得する
予選ではアリック・アルミローラ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が最速をマークして今季初、キャリア通算5回目のポールポジションを獲得する
決勝前には今季限りで引退を表明しているケビン・ハーヴィック(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)のセレモニーが催され、2001年にデイル・アーンハートを引き継いで同地初勝利を飾った29号車と隊列を牽引。リチャード・チルドレスがそのステアリングを握った
決勝前には今季限りで引退を表明しているケビン・ハーヴィック(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)のセレモニーが催され、2001年にデイル・アーンハートを引き継いで同地初勝利を飾った29号車と隊列を牽引。リチャード・チルドレスがそのステアリングを握った
背後のチェイス・ブリスコ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)やジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)ら、フォード陣営が序盤の主導権を握る
背後のチェイス・ブリスコ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)やジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)ら、フォード陣営が序盤の主導権を握る

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