チェコ共和国のアウトドローモ・モストで8月26~27日に争われた2023年ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップ第5戦は、依然として選手権独走を続ける王者ノルベルト・キス(レベス・レーシング/マン)が、開幕からの連続ポールポジション獲得記録を更新し、不安定な天候のなか週末4戦で3勝を挙げる“無双”ぶりを披露。
その一方で、今季は年間エントリーでなく散発的な“レース・バイ・レース”の出場に留まる地元出身の2017年王者アダム・ラッコ(バギラーZMレーシング/フレートライナー)が、レース2でホーム復帰戦を制覇し、現役王者に一矢報いる結果を手にした。
7月初旬のドイツ・ニュルブルクリンク戦以来の再開となったシリーズは、おなじみ『Czech Truck Prix』の週末を迎えると、今にも雨が降り出しそうな条件のなか土曜予選がスタートした。
全15台のトラックがコース上に集結するなか、やはり直近のライバルである選手権6冠の“帝王”ことヨッヘン・ハーン(チーム・ハーン・レーシング/イベコ)を退けた王者キスが、盤石の走りでスーパーポールセッションまで席巻。今季9度目の“定位置”をさらった。
その背後2列目にはアントニオ・アルバセテ(Tスポーツ・ベルナウ/マン)とシュティフィ・ハルム(チーム・シュバーベントラック/イベコ)が並ぶ一方、地元の声援に応えた選手権復帰のラッコはスーパーポール入りを果たし、土曜レース1をサッシャ・レンツ(SLトラックスポーツ30/マン)の隣、8番手からスタートすることとなった。
迎えた現地11時半過ぎの週末オープニングヒートでは、やはり“絶対王者”が優位な立場を活かしてレースを支配。今季の定番パターンを繰り返し、後続集団に4秒強の差をつけてのポール・トゥ・ウインを飾った。