今季から冬季リーグ制として全3戦で争われているTCRミドル・イースト(中東)シリーズは、3月11日にバーレーンでの最終戦が開催され、前戦第2戦からホンダ・シビック・タイプRで参戦している元TCRドイツ王者のジョシュ・ファイルズが2連勝を飾り、逆転で初代王者を獲得した。
レース1に向けた予選でもTCRタイトル経験者の強さをみせ、ファイルズとLap57チームのシビックがポールポジションを獲得。
日差しのない、曇り空の下で行われたレース1のスタート進行では、ミュルザンヌ・レーシングの17年型アルファロメオ・ジュリエッタTCRがドライブシャフト破損のためピットスタートとなってしまう。
フロントロウ、ファイルズの背後にはチーム・エングストラーのタイトル候補者で、開幕戦勝者のルカ・エングストラーと、ブレンダン・グドビッチのフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR2台が並び、直接対決の舞台が整った。
ファイルズはスタートでも無難な位置取りでホールショットを決め、レースをリードしていくが、簡単なラップではなかったと本人は振り返る。
「最初から本当にタフな状況だったんだ。タイヤに関して、スタート後からほとんどグリップがなくなってしまうような状況で、最終ラップの頃にはノー・グリップ、ノー・トラクション、何も残ってない! という状態だった」
その状況は後続のフォルクスワーゲン・ゴルフGTI勢も同様で、終始2番手でファイルズを追いかけたドイツのティーンエイジャー、エングストラーも、プッシュによりタイヤ負荷を掛け過ぎ、マネジメントに徹していた3番手のチームメイト、グドビッチにファイナルラップで逆転を許す結末に。
これにより、レース1で勝利を飾ったファイルズが、ポイントリーダーのグドビッチとのギャップを2ポイントに。ランキング3位のエングストラーとも5ポイント差となり、チャンピオンの行方は最終レース次第……という状況でレース2を迎えた。