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ラリー/WRCニュース

投稿日: 2009.12.28 00:00
更新日: 2018.02.15 17:07

【株式会社グリーンメディア】畑野賢明、中国ラリー選手権 最終戦 福建省邵武(shaowu)を9位で完走。


2009年シーズン、スバルラリーチームチャイナから中国ラリー選手権にインプレッサWRX STIでJr.ドライバーとして参戦する畑野賢明が、12月18日(金)から20(日)にかけて開催された最終戦 福建省邵武(shaowu、全5戦)に参戦した。

最終戦の舞台となる福建省邵武は中国南東部に位置し、中国ラリー選手権には昨年から加わったイベント。コースは路面が硬く締った比較的コンディションのいいグラベルで、レイアウトは高速区間と低速区間がハッキリ分かれたものとなる。道幅は決して広くなく、ドライバーにとっては一瞬たりとも集中力を切らすことが出来ない非常にチャレンジングなラリーだ。また、硬く締っているとはいえ路面は赤土のため、雨が降った場合には非常に滑りやすくなることもドライバーにとっては難しい要素の1つである。総走行距離は13カ所のSS(競技区間)とリエゾン(移動区間)を合計して616.23kmで、出場台数は全クラス合わせ86台(エントリーした2リッターターボ+4WDで争われるN4クラスは22台)であった。コンディションはラリーが行われた3日間を通し晴れときどき曇り、気温はマイナス2度から10度の間で、この時期の日本に近い気候の中でのラリーとなった。

ラリーは12月18日にクローズドダートコースで行われたSS1(2台同時に走るスーパーSS、2.7km)で開幕。タイヤは気温の低さを考慮し、低温時のグリップに優れる横浜ゴムのラリータイヤを選択した。畑野は中国の任志国選手(三菱ランサーエボリューションⅧ)と接戦を展開。惜しくも0.7秒差で敗退したものの、タイムは14番手とまずまずの滑り出しを見せる。

12月19日のDAY1(6カ所のSS、合計84.57km)は14.71kmのSS2からスタート。しかし、そのSS2で上位スタートのドライバーが電柱をコース上に倒すほどの大クラッシュを起こし、SS2は中断。クラッシュによりSS2をスタートできなかった畑野には、SS2を走ったドライバーの中で最下位だったドライバーと同じタイムが与えられた。なお、SS2と同じコースを使うSS6はキャンセルとなっている。SS3以降、畑野は初めて使う横浜ゴムのラリータイヤの特性を探りながら常時10番手台前半順位のタイムをマークし、順調に走行。DAY1をシーズン当初から目標に置いていたニュージーランドのブライアン・グリーン選手(三菱ランサーエボリューションⅨ、中国ラリー選手権だけでなくアジアパシフィックラリー選手権などにも数多く参戦)から36.3秒遅れの10位で終えた。

DAY2(6カ所のSS、合計77.40km)ではグリーン選手との差を詰めるべく、畑野はDAY2最初のSS8から渾身のアタックを開始。常に一桁台後半順位のタイムをマークながら、同じコースを使うSS11と最終のSS13(14.77km)では7番手タイムをマークするなど、2009年シーズン最高のドライビングを見せる。DAY2に設けられた6つのSSでグリーン選手のタイムを5回上回り、逆転するまでは至らなかったものの、グリーン選手との差を23.2秒まで縮め、2009年シーズンのベストリザルトとなる総合、N4クラスともに9位でラリーを終えた。なお、ラリーは2009年のフィンランドラリー選手権チャンピオンであるヤリ・ケトマー選手(スバル インプレッサWRX STI)が制した。

2009年シーズン苦しい戦いが続いた畑野にとって今回のラリーの結果は、自身が行ってきた取り組みの正しさや今後に向けての大きな自信になったに違いない。

また、2009年シーズンから行っているカーボンオフセット活動に関しては、株式会社アジアネットワークスより走行1kmにつき1.5kgの二酸化炭素排出権を供給していただいおり(今回のラリーでは走行できなかったSS2とSS6の走行距離分を差し引き、約880kgの二酸化炭素排出権)、実際にラリー中で排出された586.81km分の二酸化炭素量(約252kg)を差し引くと、約628kgの二酸化炭素排出量削減を実施することが出来た。