更新日: 2023.11.03 01:58
“妖精”が繋いだチャンピオン/待望の母国戦/ラリージャパン前にetc.【WRC第12戦CER動画】
10月26日~29日にドイツ、チェコ、オーストリアの3カ国を跨いで開催されたWRC世界ラリー選手権第12戦『セントラル・ヨーロピアン・ラリー(CER)』では、既報のとおり、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が優勝を飾り、総合2位でフィニッシュしたTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が2022年に続く自身2度目のシリーズチャンピオンに輝いた。シリーズ初の3カ国開催となったCERを、とくに印象的なシーンで振り返る動画『Top 5 Moments』がWRC公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/@wrc)で公開されている。
『Top 5 Moments』とは、WRCが各ラウンドの終了後に投稿しているまとめ動画の一種で、当該のラリーで起きたクラッシュや優勝シーンなど、印象的な場面5つをピックアップして紹介する内容となっている。
第12戦CERの振り返りとして最初に登場したのは、CERの舞台のひとつとなったチェコも生まれであるエリック・カイス(シュコダ・ファビアRSラリー2)のスタートシーンだ。2023年シーズンからマシンをシュコダにスイッチしたカイスは、母国のマシンを駆り、母国の首都プラハで行われたセレモニアルスタートをもって今回のWRCへ出陣した。
続いては、デイ2のオープニングとして行われたSS3でアンドレアス・ミケルセン(ファビアRSラリー2)がクラッシュを喫したシーンだ。WRC2クラスの選手権リーダーが駆るマシンはコースオフ後、周囲から駆けつけた“妖精さん”によってコースへ復帰した。しかしこのアクシデントで大幅にタイムを失ったミケルセンは、同時に自力でのWRC2タイトル獲得の可能性も失ってしまう。しかし、その後完走を果たしたミケルセンは無事WRC2チャンピオンに輝き、結果的に“妖精さん”たちの働きが2021年王者の2度目の戴冠に繋がることとなった。
3番目に紹介された場面は、ヌービルが初開催のCERで初代ウイナーに輝いたシーン。天候やコンディションの変化によって難しいラリーとなった今回、ヌービルはロバンペラとトップ争いを繰り広げつつ、第6戦のサルディニア以来となる2023年シーズン2勝目をマークした。
■ランキング2位のエバンスがクラッシュ。タイトル争いは決着へ
4番目に選ばれたのはロバンペラとドライバーズタイトルを争っていたTGR-WRTのエルフィン・エバンス(GRヤリス・ラリー1)が、デイ3のSS11で喫したコースオフのシーンだ。ロバンペラとのポイントを詰め、最終戦までタイトル獲得の可能性を残すべく戦っていたエバンスだったが、難しいコンディションの中でコースオフを喫しマシンはコース脇の小屋に衝突。エバンスはデイリタイアを余儀なくされ、事実上この時点でタイトル獲得の可能性は潰えた。
TGR-WRTのチームメイトでありながら、ともにタイトルを争うエバンスが戦列を離れたことを受け、ロバンペラはチャンピオンシップを確実なものにするべくペースを落とす。そのためCERでの優勝こそヌービルに譲ったものの無事に完走を果たし、最終戦ラリージャパンを待たずに2年連続シリーズチャンピオンを確定させた。これが今回の5つめのシーンに選ばれている。