このタナクが多くのラリーファンに強い印象を残したのが、2015年の第3戦メキシコで起こした湖への転落事件、通称”タイタナック”だ。
タナクはラリー・メキシコの競技序盤にコースアウト。この際、コースオフしたマシンは崖を転がり落ちながら、コース脇の湖へ転落してしまった。
幸い、タナクとヤルベオヤは無事に脱出。また湖底に沈んだマシンも引き上げられたのち、メカニックによる修復作業を経て、競技に復帰した。
この一連の出来事を、ファンはタイタニック号になぞらえ、”タイタナック”と呼び、タナク自身はラリー・メキシコのフィニッシュでシュノーケルをつけてマシンから登場するといったサービスをみせた。
今回の報告会では、このタイタナック事件がダイジェストで紹介されると、トヨタ自動車の豊田章男社長からサプライズとして、タナクにTOYOTA GAZOO Racingの特製シュノーケルがプレゼントが。
これに思わず笑みをこぼしたタナクは「(自身がWRC初優勝を遂げた)イタリア・サルディニアでは、優勝した後に海へ飛び込む習わしがあるから、そのときに使いたい」とコメント。
すると、チーム代表のトミ・マキネンは「そのシュノーケルを付ける前に、海に落としてやる」と冗談交じりに応じ、タナクが2018年シーズン開幕前からすでにチームに馴染んでいる様子を伺わせた。
2018年、トヨタはベテランのヤリ-マティ・ラトバラに加え、若手のエサペッカ・ラッピ、そして勢いに乗り、ファンからの人気も高いタナクという3名体制でシリーズチャンピオン獲得を目指す。