WorldRX世界ラリークロス選手権が、2020年シーズンに完全なフル電動車両によるチャンピオンシップに生まれ変わる可能性が高まっていると報じられた。また、そのエレクトリック・ラリークロス参戦に向け9つのマニュファクチャラーが興味を示しているという。
WorldRXでは、2017年8月に電気自動車で争われるEVクラス導入計画を発表しているが、あくまでサポートクラス。トップカテゴリーの“スーパーカー”は従来の内燃機関を搭載するマシンで争われる予定だった。
しかし、最新の情報によれば、このフルEVマシンがガソリンエンジン車を押しのけ、トップカテゴリーのスーパーカークラスに取って代わる可能性が高まっているという。
とある情報筋によれば「電動ラリークロスは世界選手権として開催する必要がある。そのため、フルEVクラスはワールドチャンピオンシップとして開催される可能性が高いだろう」と、その内情を明かした。
「2020年のシリーズ創設時には、少なくとも15台のマシンが必要になる。現時点では9つの異なるマニュファクチャラーが参戦に向けた協議や交渉の場を持っていることを把握している」
「一方で、そうしたマシンを持たず、競争力のあるEVマシンを作り上げる能力のないプライベーターに対しても、彼らが望めばフル電動マシンに必要なコンポーネントを調達し、マシンを販売するように各マニュファクチャラーに働きかけを行っているようだ」
この新たなフルエレクトリック・ラリークロス車両は、共通のカーボンモノコックと安全構造を採用し、サスペンションやブレーキシステムなど、電動コンポーネント以外の部分に関してはシャシーキットとしての供給が見込まれている。
モーターも単一のサプライヤーだけでなく、カーボンモノコックの上にかぶせることになるFRPコンポジット製のボディシェルに関してもフリーとなるため、参戦に際してはさまざまな車種、モデルを使用することが可能となる。
それらのボディシェルは従来のスーパーカーよりわずかに大型化されると見られ、リヤエンドにはより大型の空力デバイスやエアロダイナミクス優先のデザイン処理が施されることになる。