レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2022.06.15 11:22
更新日: 2022.06.15 11:23

今季2勝のニル・ソランスは失意のコースオフ、地元ミコ・マルチェクがERC初優勝/ERC第4戦

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


ラリー/WRC | 今季2勝のニル・ソランスは失意のコースオフ、地元ミコ・マルチェクがERC初優勝/ERC第4戦

 そのまま午後のループでもプッシュを続け、さらに0.8秒のマージンを稼いだソランスだったが、続くSS7で彼のドライビングと高負荷に耐えきれなかったヒョンデi20 Nラリー2はステアリングが破損。この瞬間、ただの“乗客”と化したソランスはそのままディッチに一直線となり、残念ながらここでラリーを終える結果となってしまった。

 これで首位を引き継いだのが地元出身のマルチェクで、昨季のERCで年間総合3位を記録した男は、2022年にWRC2のプログラムを本格化させた傍ら、ERC地元戦での勝負で自分自身を証明する機会を狙っており、残る日曜を前に20.4秒ものギャップを築く展開となった。

「このラリーは僕たちにとって大きな意味がある特別なものだし、リーダーの座にいるのはうれしいよ」と最終日を前に語ったマルチェク。

「今日は昔から知っていたステージだけでなく、非常に優れた新しいステージもいくつか存在した。このポジションに居られてうれしいし、とてもハッピーだ。ただ、ニル(・ソランス)がここに居ないことだけが残念だね。それでもこれはラリーというゲームの一部だし、明日は長い1日だろうが、体調は良いので頑張るだけさ」

 残る最終日で大量リードを維持するのは簡単な作業にも思われたが、マルチェクのシュコダはSS12で大量のグラベルを掬い上げたことで、エンジンの水温が急上昇。慌ててロードセクション用のマップに切り替えて、からくもステージを走破する。

 直後のタイムコントロールで必死の“砂掻き”を行ったクルーの努力が報われ、幸いなことにラリー続行が叶ったマルチェクは、背後のクリステンセンに対し10秒のリードを維持してフィニッシュ。狙いどおりに地元戦でのERC初優勝を成し遂げた。

「今日は本当に大変だった……。スタートは大丈夫だったけれど、トム(・クリステンセン)が僕たちに近づいていた。例のステージでは感触が良く、プッシュしてギャップを作るつもりだったけれど、フィニッシュラインの1km手前でラジエーターにグラベルを被った」と状況を説明したマルチェク。「まだ残り1km以上あったのに、水温が一気に140℃まで上がったんだ! 僕らは幸運だったと言うしかないね」

 2位クリステンセンに続き、最後の3位ポディウムにはケン・トーン(フォード・フィエスタ・ラリー2)が入り、4位にチームMRFタイヤのエフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)、5位にシモーネ・テンペスティーニ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)が続くトップ5に。続く2022年のERC第5戦はラトビアへと向かい、7月2~3日のラリー・リエパヤでシーズン後半戦を迎える。

プラグの問題が発生したチームMRFタイヤのエフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビアRally2 EVO)は、それでも4位に入り、ソランスの脱落もあって選手権でのリードを拡大した
エストニア出身、ケン・トーン(フォード・フィエスタ・ラリー2)は苦心の前半戦を払拭する3位表彰台
「僕は今、ラリー・ポーランドの勝者としてここにいる。これは進化のステップが正しかったことの証明だ」と勝者マルチェク


関連のニュース