いよいよ開幕するWEC世界耐久選手権の日本ラウンド、第7戦富士6時間レース。2017年で開催6年目を迎える今季もル・マンで激闘を繰り広げたプロトタイプカー、GTカーたちが富士スピードウェイを舞台にスピードと耐久力を競う。
昨年はトヨタ、ポルシェ、アウディの三つ巴の戦いのなかでレース終盤、ストラテジーを駆使して総合首位に立った6号車トヨタTS050ハイブリッドが僅差で追う2号車アウディR18から逃げ切り、劇的な優勝を果たした富士戦。過去5戦4勝と富士との相性が良いトヨタは、ホームグラウンドでの2連覇、そして2017年シーズン3勝目を目指す。
そんなトヨタが挑むLMP1-Hクラスは今季、昨年限りでアウディが撤退したことによってトヨタとポルシェによる一騎打ちが展開されている。
シーズン序盤の開幕2戦はセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、アンソニー・デビッドソンがドライブする8号車トヨタTS050ハイブリッドが連勝を飾るが、シリーズ天王山の第3戦ル・マンではティモ・ベルンハルト、アール・バンバー、ブレンドン・ハートレー組が駆る2号車ポルシェ919ハイブリッドが優勝。
第4戦ニュルブルクリンク以降はル・マン後にハイダウンフォース仕様のエアロキットを導入したポルシェが速さをみせ、第6戦までに3回のワン・ツー・フィニッシュを達成している。
後半戦に入り苦戦を強いられているトヨタ勢だが、富士はル・マンと同様にダウンフォースをそれほど必要としないサーキット。
「これまでの3レースに比べれば力強いレースができると予想している」と7号車トヨタを駆る小林可夢偉がコメントするように、空気抵抗を極力小さくする設計がなされているトヨタのマシンにとって好相性のコースだと言えるだろう。