1月25日に開幕したIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ第1戦デイトナ24時間レースは同日、公式予選が行われ、前年度王者のコニカミノルタ・キャデラック、10号車キャデラックDPi-V.R(ジョーダン・テイラー/レンジャー・バン・デル・ザンデ/ライアン・ハンター-レイ組)が総合2番手と0.007秒差という僅差でポールポジションを獲得した。
走行初日となった25日、9時20分から1時間にわたって行われたフリープラクティス(FP)1回目でレネ・ラスト駆るマツダチーム・ヨーストの55号車マツダRT24-P DPiが、13時40分~14時40分までの1時間実施されたFP2ではアキュラ・チーム・ペンスキーの7号車アキュラARX-05 DPiがそれぞれトップタイムをマークするなど、キャデラックDPi勢が他陣営を圧倒した事前テストとは上位陣の顔ぶれに変化がみられた。
そんななか迎えた公式予選では、FP2で最速となった7号車アキュラを駆るエリオ・カストロネベスが躍動。15分で行われる予選セッションの中盤、1分36秒607というタイムで総合トップに躍り出たカストロネベスは、このタイムを僅かに上回ってきたスプリット・オブ・デイトナ・レーシングの90号車キャデラックDPi-V.Rを自己ベストを大きく更新する1分36秒090で突き放し、再度タイムシートの最上段へ浮上する。
セッション終盤、事前テストで最速タイムをマークしているフェリペ・ナッセ駆るウェーレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.Rがマシントラブルを抱えコース脇にマシンを停めたことでアキュラDPiの“デビュー戦初ポール”が決定的になったと思われた。
しかし15分間のセッション最終盤、チェッカーフラッグが振られるなかでセクター1を全体ベストで通過したバン・デル・ザンデの10号車キャデラックがコントロールラインに戻ってくると、キャデラックのボディサイドに設けられたポジション表示灯が“1”に変わった。
この瞬間、7号車アキュラの開幕ポールは幻となり、すでにピットに戻って戦況を見つめていたカストロネベスは顔を伏せ頭を抱えた。10号車キャデラックのアタックラップタイムは1分36秒083で、7号車アキュラとの差はわずか1000分の7秒だった。