ポルシェは4月9日、WEC世界耐久選手権のチャンピオンマシン『ポルシェ919ハイブリッド』に大規模な改修を施し、2017年のF1ベルギーGPで記録されたスパ・フランコルシャンのコースレコードタイムを更新する試みを実施。ニール・ジャニのドライブによってこれを達成したと発表した。
2017年を最後にWECの最高峰LMP1クラスから撤退したポルシェ。2018年は、レースから“引退”することとなったポルシェ919ハイブリッドを世界各地のモータースポーツイベントに参加させ、WECのルールにとらわれないマシン本来のポテンシャルを披露するとともにファンにお別れを告げる『ワールドツアー』を実施するとアナウンスしていた。
そんななか行われた今回のチャレンジでは、昨年ルイス・ハミルトンがメルセデスW08でマークしたスパ・フランコルシャンのサーキットレコードタイム、1分42秒553を打ち破ることを目標とし、ポルシェは2015~2017年までに3度のル・マン優勝を果たしたLMP1マシンを大胆に改造。
グラウンドエフェクトの効果を高めるサイドスカートや、ヘッドライトを廃しエアロダイナミクスを最適化させたフロントフェンダーを装備するとともに、車両前後のディフューザーの拡大、DRS付き大型リヤウイングをかつてのグループCカーのようなスタイルでマウントするなど、その見た目はWEC参戦時の姿から大きく変更された。
また、パワートレインにも手が加えられ、シリーズで規定されていた燃料流量制限から解き放たれた2.0リッターV4ターボエンジンは最高出力が従来の500馬力から720馬力に向上。さらにハイブリッドシステムも出力が10%高められ、440馬力となっている。