2017年からWEC世界耐久選手権のLM-GTEアマクラスに参戦している澤圭太とクリアウォーター・レーシングは5月5日(土)、ベルギーのスパ・フランコルシャンで開催された2018/19年WEC“スーパーシーズン”第1戦スパ・フランコルシャン6時間において、クラス3位表彰台を獲得した。
シンガポールに本拠を置くクリアウォーター・レーシングは昨シーズン、WECデビュー戦となったシルバーストン6時間での開幕戦クラス優勝に始まり、澤の母国ラウンドであるWEC富士でのクラス2位獲得といった活躍を続け、最終戦バーレーンまでライバルとタイトル争いを繰り広げた。
そんなチームは参戦マシンのフェラーリ488 GTEや、チームオーナーのウェン-サン・モク、澤、マット・グリフィンというドライバーラインアップといった、チーム体制の多くを維持しながら2018年から2019年に渡って争われる“スーパーシーズン”にエントリーしている。
4月上旬に行われた事前の公式テストを経て迎えたベルギーでの開幕戦では、モクとグリフィンのふたりが金曜の公式予選に臨んだものの、ライバルのアストンマーチン、ポルシェ勢のスピードに太刀打ちできず。ライバルが4台から8台に倍増したGTEアマクラスの9番手に沈み、翌日の決勝は最後尾からスタートすることとなってしまった。
レースウイーク中もっとも気温の上がった土曜の決勝は、澤がスタートを担当することに。これは昨シーズン、多くのレース成功を収めた、いわばチームの“勝利の方程式”とも言えるフォーマットとなっており、今回のレースでも“ひとつでも上のポジションを奪い、無事に戻ってくる”という重要なミッションが与えられた。
そんな大役を任された澤はプレッシャーの掛かるなかで1周目に2台をパスしてクラス7番手に浮上すると、その後も安定したペースで次々にポジションを上げていく。最終的にアマクラス最長の26周までスティントを引っ張った澤は、クラス2番手でモクにバトンをつないだ。
クラス5番手となって迎えた澤の2回目のスティントではチームからの指示でフルプッシュを敢行。強豪アストンマーチン・レーシングの98号車アストンマーチン・バンテージを10周以上のバトルの末にパスして順位をクラス4番手に上げると、続けて、自チームのMRレーシングを率いる石川資章駆る70号車フェラーリ488 GTEを攻略し、表彰台圏内の3番手に浮上してみせた。
レース終盤は澤から代わったグリフィンが2スティントを担当したクリアウォーター・レーシングの61号車フェラーリは、最終的にアストンマーチン勢に次ぐクラス3位で6時間レースのチェッカーを受け、フル参戦2年目の開幕戦をポディウムフィニッシュという幸先の良い結果で終えている。