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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2018.07.08 11:15
更新日: 2018.07.09 15:12

語り尽くせない今年のル・マン優勝に寺田節炸裂。中嶋一貴&小林可夢偉が語るWECの奥深さと10月の富士開催

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ル・マン/WEC | 語り尽くせない今年のル・マン優勝に寺田節炸裂。中嶋一貴&小林可夢偉が語るWECの奥深さと10月の富士開催

 ル・マン24時間でのトヨタ&中嶋一貴組の優勝がまだまだ記憶に新しいWEC(世界耐久選手権)だが、10月12〜14日にはいよいよ日本凱旋となるWEC第4戦富士6時間耐久レースが開催される。その壮行会的なプレスカンファレンスがスーパーフォーミュラ第4戦が行われている富士スピードウェイで開催され、寺田陽次郎氏、中嶋一貴、小林可夢偉の3人が登壇してル・マンの秘話とともにWEC富士への意気込みを語った。

 会見ではまずはル・マン24時間に29回出場している『ミスター・ル・マン』ことル・マン・レジェンドで、WEC富士アンバサダーの寺田陽次郎氏がル・マンで優勝した一貴、2位の可夢偉を祝福。寺田氏にとっても、今年のル・マンの優勝の喜びはひとしおだったようだ。

「僕の子どもの頃からの夢、『日本のクルマで日本人のドライバーが勝つ』というのを、僕は叶えることができなくて、これからも果たせないでしょうけど、ここにいる若いふたりのドライバーがニッポンのクルマ、トヨタで20回目の挑戦でル・マン24時間で日の丸を掲げて、君が代を流してくれた」

「僕自身、ものすごく嬉しかったし、ふたりのお陰でル・マンにいる間、みんなに『おめでとう! おめでとう!』と祝福して頂いて、日本人としてものすごく誇らしかった。そんな誇らしことを君たちふたりが成し遂げてくれた」

「まだ実感はないかもしれないけど、これからもっともっと歳を重ねていった時に、初めて日本の自動車メーカーで、日本人としてル・マンで日の丸を揚げたんだという重みが分かってくるんじゃないかなと、ちょっと年寄りじみたコメントをしておきます」と寺田アンバサダー。

 中嶋一貴もその祝福に応えるように、「たくさんの方に祝福の言葉を頂いたので、本当にたくさんの方に応援して頂いていたんだなというのを感じるとともに、(優勝まで)時間が掛かってしまった、お待たせさせてしまったなという気持ちも同時に湧きました」とコメント。

 可夢偉も、「僕は2番なので、一貴よりも『おめでとう』の数がちょっと少ないのですが(苦笑)、本当にチームのみんなが頑張ってくれて2番になれた。去年も間違いないく速いクルマは作れたんですけど、今年は速くて壊れないクルマを作るというチャレンジだった。本当にライバルが誰であろうと、自分たちの挑戦で、そして目標だった24時間を走り切れたという結果だったと思っています」と話すと、そこからは3人による会見というよりも、寺田氏が一貴、可夢偉に取材をする座談会のような雰囲気に。

 今年改修された、ポルシェコーナーの話題では、「去年、ポルシェコーナーで止まったときには、観客席のおじさんたちから『ビール飲みに来いよ!』というコールがすごかった。飲めるか!と思いました」と可夢偉が裏話を披露して、寺田アンバサダーがどれだけ白ワインと赤ワインを飲みながら観戦していたか、などなど話は盛り上がり、肝心な富士大会に話題がなかなか移らない。終いにはMCを務めるピエール北川氏が、「さあ、寺田さん! 大切な富士大会についてもお願いします」と、3人の話を遮る場面も。そのくらい、今年のル・マンのトヨタ&一貴の優勝について、語りつくせない想いが3人にあることを伺わせた。

 10月12日〜14日に開催されるWEC第4戦富士については、「このふたりに暴れてもらわないと困る」と寺田アンバサダー。

「マシンの音を肴にお酒を飲む。それがヨーロッパのレースの楽しみ。日本のファンのみなさまも、先日のS耐24時間ではキャンプやいろいろなホスピタリティとか、レースの文化度を高めるというのを富士スピードウェイは一生懸命進めている。WEC富士6時間レースも、ル・マンに似たような感じで楽しんでもらえれば。場内で酒とか売ればいいと思うんだけどな、ダメなのかな?」と寺田アンバサダーが問いかけると、ピエール北川氏が代表して「検討させて頂きます」と会場を沸かせる場面も。

「今まで毎年、富士に向けて『ル・マンのリベンジを』と言ってきたのが、今年はル・マンで優勝したという手土産を持ってファンのみなさまの前で臨めるホームレースになる。だからと言って気を緩めるわけでもなく、シーズンもまだまだ長いですし、やっぱり富士は勝たなきゃいけないレース。ル・マンでもそうでしたが、トヨタの7号車と8号車がガチンコでレースをするので、そこは面白いんじゃないかなと思いますし、他のLMP1のクルマも速いので、見どころは多いんじゃないかなと思います」と、WEC富士への抱負を話す一貴。

 可夢偉も「僕たち7号車はいつも速さを見せているんですけど、なかなか勝てていないので、そろそろ出番が来てもいいのかなと思っています。他のサーキットではだいたいポールを獲っているんですけど、勝てていない。母国のコースはポールを獲れていないですけど、僕がWECで唯一勝てたレース。もしかしたら僕たちにいい流れがくるのかなと思って富士に帰ってきたいと思います。富士では予選でブーストの使い方を変えたりいろいろ楽しみですし、しっかりトヨタでワン・ツーを獲りたいなと思います」と意気込みを語った。


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