FIA国際自動車連盟とWEC世界耐久選手権は、10月12~14日に富士スピードウェイで開催されるWEC“スーパーシーズン”第4戦を前に、LMP1クラスに課している性能調整“EoT(イクイバレンス・オブ・テクノロジー=技術の均衡)”の変更を発表。この中でトヨタTS050ハイブリッドのパフォーマンスを抑制する処置がとられている。
2018年から2019年にまたがる形で行われている今季のWECでは、ハイブリッドマシンを用いるトヨタと、ノンハイブリッド車で戦うプライベーターチームのマシン性能差を近づけされる“EoT”が採用されている。
このEoTは2018年5月のシーズン開幕前からたびたび調整されてきたが、いずれの場合でも調整の基準車となる『トヨタTS050ハイブリッド』の性能を固定したまま、ノンハイブリッドカーのパフォーマンスを増減させる手法が取られてきた。それが今回、トヨタの同意を得た上で初めてハイブリッドマシン側の参加条件に手が加わることとなった。
富士で母国ラウンドを迎える2台のトヨタTS050ハイブリッドは、26kgのウエイトが追加されマシンの最低重量が904kgに。これはノンハイブリッド・ターボ車の833kg、ノンハイブリッド・自然吸気車の818kg対して71~86kgのハンデとなる。
また、ノンハイブリッド勢は1スティントあたりの使用エネルギー量および燃料タンク容量の増加を受けるとともに、給油装置の流量リストリクターのサイズもより大きなものに変更されるという。これによってトヨタはル・マンのサルト・サーキットで1周分、それ以外のコースでは2周分となる燃費の優位性を失い、これまでの3戦よりも多くのハンデを背負って第4戦を戦うこととなる。
なお、FIAは今回のEoT変更に関して、トヨタの同意のおかげで当初“スーパーシーズン”中にLMP1メーカーワークス車への調整を行わないとしていた競技規則、ならびにスポーティングレギュレーションを変更することができたと謝意を送っている。