FIAはGT3のホモロゲーションにかかる新たなレギュレーションの概要を提案した。2022年の導入が予定されるこの規定は、同一カテゴリー内でスポーツカーとスポーツクーペに個別の車両規則を設けるというものだ。
Sportscar365は先週、ジュネーブで開催されたテクニカルワーキンググループの会合でFIA GT3カーの製造メーカーに提示されたコンセプトが、次回の規則更新が行われる2022年に公布される可能性があることを理解した。
現時点でその詳細ははっきりとしないものの、GT3カテゴリーのなかでふたつの異なるプラットフォームを採用し、性能調整を通じて両タイプのスピードを均等化させることが狙いであると考えられている。
GT3は日本のスーパーGT300クラスをはじめ、ヨーロッパ、アジア、アメリカで開催されるブランパンGTシリーズや、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ、VLNニュルブルクリンク耐久シリーズなど世界各地に広がりをみせ、多くの自動車メーカーがブランドイメージの向上を期待し参入している人気カテゴリーだ。
FIAは現在、4ドアモデルやプロダクションモデル、同様のアーキテクチャをベースとするGT3カーを禁止している。
そんなGT3は現在、すべての車種が統一規則の下でホモロゲーション登録を受けFIAによって公認されている。そのため、ベントレー・コンチネンタルGT3やBMW M6 GT3などの大型スポーツクーペと、フェラーリ488 GT3、ポルシェ911 GT3 Rといった本格スポーツカーとのバランス調整に課題があるとされている。
FIAが行った今回の提案はこのアンバランスな状況を打開するため、スポーツカーをWEC世界耐久選手権やIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップのGTル・マンクラスで採用されている、LM-GTE規定のような厳格な技術規則の対象とするもの。ただし、マニュファクチャラーの持つ共有モジュラープラットフォームをベースとすることは許可されている。
一方で、スポーツクーペは比較的自由度の高い現在のGT3レギュレーションを適用されることになるが、使用するエンジンは生産モデルに搭載されるものをベースとすることが要求されると考えられている。
なお、現在までのGT3レギュレーションにはこのような規定は明示されていなかった。事実、かつてBMWはZ4 GT3に同社のM3に搭載されていた4.4リットルV8自然吸気エンジンを採用している。
今回提示された新たなレギュレーション案は、GT3カーを製造する各メーカーから発せられるさまざま意見を取りれたものだ。