一時は吹雪となった天気も安定したレース中盤は、可夢偉とアロンソが45~50秒の間隔で1、2番手を走行する展開に。しかし、まもなく3時間を迎えようとしたところで、首位を走る7号車が突然のセンサートラブルに見舞われて緊急ピットイン。
ピットガレージで迅速な原因究明と対策が施された7号車だったが、この作業に約11分を要したことで、トップから4周遅れの総合22番手まで後退してしまう。
レース終盤、7号車の脱落によって総合首位に立った8号車はアロンソ、一貴、アロンソとつなぎながら、再び降り出した雨雪のなか2番手以下をラップダウンにすると、最後は悪天候のために赤旗終了となったレースを制した。
また、7号車も可夢偉から交代したホセ-マリア・ロペスが必死の追い上げをみせ、約3時間の間にポジションを大きく回復。最終的に総合6位/クラス6位入賞を果たした。この結果、TOYOTA GAZOO Racingはチームポイントを177点とし最終戦を待たずに、ダブルタイトルを獲得した2014年以来、4シーズンぶりにチームタイトル獲得を確定させている。
なお、ドライバーズタイトルは8号車と7号車のポイント差が14ポイントから31ポイントに広がったものの、最終戦ル・マンでは最大39ポイントが獲得できることから、戴冠決定の瞬間は次戦に持ち越しとなっている。
「今日決めることができたFIA世界耐久選手権(WEC)ワールドチャンピオンをチームのみんなと祝いたいと思います。これは、昨年からチームの全員がたゆまない努力を積み重ねてきた結果です」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racing WECチームを率いる村田久武チーム代表。
「今日のレースはチャレンジングなものでした。非常に速かったにもかかわらず、センサーの問題で優勝のチャンスを逃がした7号車のドライバー達には大変申し訳ないことをしました」
「一方、8号車のドライバー達は不運があったにもかかわらず、最後まで素晴らしい走りで優勝を勝ち取ってくれました。いよいよ次はル・マンです。昨年の優勝後から1年かけて準備をしてきた集大成をお見せしたいと思います」