スプリントシリーズの“ワールドチャレンジ・ヨーロッパ”と耐久シリーズの“エンデュランスカップ”からなるブランパンGTシリーズ第3戦シルバーストンが5月12日、イギリス・シルバーストンで行われ、SMPレーシングの72号車フェラーリ488 GT3(ミゲル・モリーナ/ミカエル・アレシン/ダビデ・リゴン組)が逆転優勝を果たした。
第2戦ブランズハッチから2週連続開催となった今戦は、シルバーストンでの3時間レース。晴天に恵まれた決勝レースのグリッドには50台弱のFIA-GT3カーが並んだ。そのグリッドの最前列につけたのは、前日の予選でポールポジションを獲得したGRTグラッサー・レーシング・チームの63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3と、2番手となったアテンプト・レーシングの55号車アウディR8 LMSだ。
スタートではクリスチャン・エンゲルハート繰る63号車ランボルギーニを先頭に、予選3番手と5番手につけていたオレンジ1・FFFレーシング・チームの519号車、563号車ウラカンGT3がそれぞれポジションを上げ、オープニングラップからランボルギーニ勢がワン・ツー・スリー体制を築く。
しかし、その後方では4台のマシンが相次いでクラッシュする多重クラッシュが発生し、いきなりセーフティカー(SC)が導入されることに。23分間のSCランの後にレースがリスタートされると、3台のランボルギーニ勢が約1秒間隔で並びながら徐々に後続を引き離しにかかる。
ところが、まもなく1回目のピットタイミングを迎えようかというタイミングで、首位を走る63号車ランボルギーニの左リアタイヤがバースト。不運なことにピット入口近くでこのアクシデントが発生したため、63号車は丸々1周をスロー走行することとなり、順位を大きく落としてしまった。
スタートから1時間後、アマクラスのフェラーリ488 GT3がグラベルにスタックしたためフルコースイエロー(FCY)が提示される。これを機に、2番手首位となった519号車ランボルギーニやベルジャン・アウディクラブ・チームWRTの2号車アウディR8 LMS、SMPの72号車フェラーリなど、まだピットに入っていなかったマシンたちが続々とピットに戻っていく。
約15分後のリスタート時にはこれらのマシンが、FCY前にピットインしたマシンに対してジャンプアップを果たし上位に進出した。
そんななか2番手から7番手に順位を落とした563号車ランボルギーニは、アンドレア・カルダッリが鬼神の走りをみせ徐々にポジションを回復。リスタート後のわずか2周で4番手に浮上すると、スティント終盤に訪れた今レース3回目のリスタート後には72号車フェラーリを駆るモリーナを交わして2番手に返り咲いた。