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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2016.03.24 22:46
更新日: 2016.03.24 22:53

「V6直噴ツインターボこそが最善」とトヨタ。フロントの空力コンセプトも大変更

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ル・マン/WEC | 「V6直噴ツインターボこそが最善」とトヨタ。フロントの空力コンセプトも大変更

 パスカル・バセロンは、王座奪還を目指して開発した新型『トヨタTS050ハイブリッド』は、パワートレインや空力をはじめ多くの箇所でコンセプト自体が変更されているという。

 24日、翌日からのプロローグテストを前にポールリカールで披露されたTS050ハイブリッドは、2015年モデルのTS040ハイブリッドに比べスリムになったノーズのほか、フェンダーとの間にはウイング構造を採用するなど、マシンのフロントに大きな変更がみてとれる。

「これまでの知見を活かしながら、前年に先行投入された一部を除き、ほぼ全てのパートを変更した」と、テクニカルディレクターを務めるバセロンは語っている。
「パワートレインや空力をはじめとする多くの箇所でコンセプト自体が変わった。空力コンセプトについては、特に車両前部が大きく変わった。我々は膨大な時間を新たなコンセプト開発に費やし、さらに改良を続けた。フロントのダウンフォースを生みだす構造によって後方の空気の流れも大きく変わった。パッケージ面で全く新しいアイデアを導入することによりレベルアップが難しい近年のWECにおいても大きな進歩を遂げられたと思っている。TS050 HYBRIDはこうした基盤の上に開発された。我々はライバルと競い合えることを望んでおり、それは我々が設定した最低限の目標。バトルに加わり、その上でライバルを上回ることが目標だ」

 また、最も大きな変更点とされているパワートレインのコンセプトは、昨年までの3.7リッターV8自然吸気エンジンに代わって、2.4リッターのV型6気筒直噴ツインターボエンジンを搭載。8MJへ性能をアップしたハイブリッド・システムの組み合わせとなっている。

 この両ユニットは東富士技術研究所のモータースポーツユニット開発部で開発されたが、レーシングハイブリッド・プロジェクトリーダーの村田久武氏は、V6直噴ツインターボこそが最善のソリューションだったと述べている。
「今シーズンのレギュレーションでは、燃料流量と燃料の総エネルギー量が約7.5パーセント削減されます。モータースポーツのエンジニアとして、我々は常にパワートレインのパフォーマンス向上を望んでいます。そのため、より一層パワフルで効率的なパワートレインで対応することが重要でした」

「我々はV型6気筒直噴ツインターボガソリンエンジンこそが、新たなレギュレーションにおいて最もパワーと効率のバランスが良いと信じています。8MJを選択したハイブリッド・システムとの組み合わせは、これまでのパワートレインと比較しても際だって大きなトルクの向上を与えてくれるはずで、それこそが新型車両のキーとなる目標です。新しいパワートレインによって特に重量軽減と冷却の面でいくつかのチャレンジが課されました。しかし、東富士とケルンのチームスタッフは非常にハードな努力でこれに取り組み、対応出来たと信じています」

 ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ昨シーズンは未勝利に終わり、屈辱を味わったトヨタ。しかし、チーム代表の佐藤俊男氏は、「残念な結果となった2015年シーズンの後、我々の明確な目標は、再びシリーズで上位を争うことです」と力強くコメント。「スタッフ全員が非常に高い意欲で再び表彰台の中心に立つべく努力を続けている」と、タイトル奪還に期待をのぞかせている。


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