3月12日、WEC世界耐久選手権は3月18~20日にアメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで開催予定だった、2019/2020年シーズン第6戦セブリング1000マイルの開催中止を発表した。
日本を含む世界各国で感染が広がる新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が、ABBフォーミュラE選手権やGTワールドチャレンジ・ヨーロッパなどの四輪モータースポーツ、MotoGP、SBKといった二輪カテゴリーなどに続きスポーツカー選手権の最高峰シリーズであるWECにも波及することとなった。
この背景にあるのは、11日に行われたWHO世界保健機関の“パンデミック”宣言を受けてアメリカのドナルド・トランプ大統領が打ち出した、ヨーロッパからアメリカへの長期渡航禁止令だ。
これはアメリカ国民以外の人々が、イギリスを除く欧州26カ国からアメリカへ入国することを30日間禁止するもので、11日にトランプ大統領自らが演説で発表。13日(金)0時から施行されることが明らかにされている。
この発表後、WECではレース開催について議論が行われ、スタッフやドライバー、さらにシリーズの役員までもが規制の対象となることからイベントが成り立たないと判断。セブリング1000マイルレースの開催は適切ではないとして中止の決定がなされた。
また、この決定によって3月14~15日に予定されていたWECセブリングテストもキャンセルとなり、これらは11日遅くにIMSA国際モータースポーツ協会のジョン・ドゥーナン代表に報告され、受け入れられたという。
WECのジェラール・ヌーブCEOは第6戦セブリングの中止について、次のように述べた。
「今回の決定は軽々しく下されたものではない。我々のチームとオフィシャルたちは、熱心で豊富な知識を持つセブリングのファンの前でレースを行うことに大きな価値を置いている」
「ヨーロッパからアメリカへ移動が制限されるため、キャンセルを余儀なくされたが、WECはつねにチーム、オフィシャル、レースファンの健康と幸福のために尽力し続けている」
「さらに、WECのレースイベントにおいてあらゆる面の品質の確保は、我々が行うすべての中心であり、決して妥協することはない」