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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2021.02.18 16:57
更新日: 2021.02.22 17:50

D’station Racing 2021アジアン・ル・マン・シリーズ第1ラウンドドバイ レースレポート

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ル・マン/WEC | D’station Racing 2021アジアン・ル・マン・シリーズ第1ラウンドドバイ レースレポート

D’station Racing

Race Report – 2021.02.17

dstation-racing.jp
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2021 Asian Le Mans Series
Round 1 / 2 Dubai Autodrome (UAE)

Round.1:FEB.13 Qualify :17th / Race:13th
Round.2:FEB.14 Qualify :14th / Race:13th

世界の舞台での腕試しがスタート。ドバイ戦で多くの収穫を得る

 2020年、D’station Racingとして初めて挑戦したアジアの舞台、アジアン・ル・マン・シリーズ。2021年に向けては新型コロナウイルスの影響により、中東はアラブ首長国連邦のドバイとアブダビで、2週間で4レースを集中的に開催するスケジュールとなったが、D’station Racingでは2021年の国内での活動、そしてWEC世界耐久選手権に向けた絶好のスキルアップの機会ととらえ、渡航に向け万全の感染拡大対策を施し、全4戦へ挑戦することになった。

 ステアリングを握るのはチームオーナーでもある星野敏、マネージングディレクターを兼ねる藤井誠暢というふたりに加え、イギリスの気鋭のドライバーで、2020年もアジアン・ル・マンでチームに加わったトム・ギャンブルを起用した。2月12日(金)に予選、13日(土)に第1戦、14日(日)に第2戦を行う変則的なスケジュールだが、今回は中東での開催とあり、D’station Racingが参戦するGTクラスはヨーロッパからも多数のエントリーがあり、名だたるトップドライバーがそろうなかでのレースとなった。

 ドバイ入りした後、十分に準備を進めたチームは、プラクティスでフィーリングを確かめつつ、12日の予選に挑んだ。ステアリングを握るのは藤井だ。各メーカーのワークスドライバーたちに混じってアタックを展開していくなか、計測2〜3周目に1分57秒662、1分57秒720というタイムを並べ、第1戦は17番手、第2戦は14番手というグリッドを獲得した。

 順位としては満足できるものではないが、チャレンジングななかでの予選に、藤井は楽しさすら感じていた。ただ、その順位については理由もあった。予選後シャシーにクラックが発見されたのだ。2年間SUPER GTで使ってきた車両だけに仕方がないが、現地で補修し、まずはアジアン・ル・マンを無事に終え収穫を得ることにした。

 迎えた13日の第1戦。WEC世界耐久選手権でもブロンズドライバーがスタートを担当することが慣例となっているが、これに慣れるため星野がスタートドライバーを務めた。17番手からスタートした星野は、日本とは比較にならない混戦のなかしっかりと役割をこなすと15番手まで順位を上げ、27周をこなしピットへ。ギャンブルへ交代。まだ19歳と若いギャンブルだが、その速さをみせつつ落ち着いたレースをみせ56周目にピットへ。ちょうどFCY(フル・コース・イエロー)とタイミングが重なる幸運にも恵まれ、藤井へと交代した。

 ただこのとき、ピットイン時にGPSで管理されるピットタイマーが作動せず、規定のピットイン時間が数秒足りない可能性が高く、チームはペナルティを避けるため藤井を再度ピットへ呼び戻す決断をくだした。その後コースに戻った藤井は、同じアストンマーティンを駆るマービン・キルホファー選手とバトルを展開。86周目にピットインした後はダブルスティントをこなし、13位でチェッカーを受けた。

 明けて14日に迎えた第2戦。今回も星野がスタートドライバーを務め、14番手からスタートを切ると、AFコルセの#54 フェラーリを駆るジャンカルロ・フィジケラ選手とバトルになる。F1で3勝を飾った経験をもつドライバーだが、チームが施したセットアップ変更が功を奏し、混戦を勝ち抜く素晴らしい走りをみせポジションアップ。22周目に大役を終えピットインし、ギャンブルに交代する。

 ギャンブルも59周目まで好走をみせ、藤井に交代。このスティントで多く乗り込むプロドライバーたちとのバトルを続け、ペナルティもありつつ、最後は13位でチェッカーを受けた。星野のスティントでピットインが可能だったドライバー組み合わせのチームが上位に来る結果となったが、第1戦に比べスピードは確実に増しており、D’station Racingはたしかな手ごたえを得て、ドバイラウンドを終えることになった。

2021年アジアン・ル・マン・シリーズに参戦した5台のアストンマーティン・バンテージAMR GT3
2021年アジアン・ル・マン・シリーズに参戦した5台のアストンマーティン・バンテージAMR GT3

D'station Racingの77号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3
D’station Racingの77号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3
D'station Racingの77号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3
D’station Racingの77号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3

COMMENTS:

Team Director:Ben BOURDAIRE
D’station Racingにとってのドバイ戦を振り返ってみると、2レースを通じて大きな進歩を遂げることができたと思っているよ。考慮しなければならないのは、レース全体のレベルが非常に高く、参戦しているチームもドライバーのレベルも高かったことだ。そんな中での戦いだったけれど、土曜日の第1戦から日曜日の第2戦までの間に、とても大きな進歩を遂げ、D’station Racingはトップのレベルに近づくことができたと思う。チーム全員が素晴らしい仕事をしたと思っているよ。第2戦では、いくつかの小さなミスがあり結果としては満足いくものではないが、アブダビに向けて非常に良い手ごたえを得ており、第3戦、第4戦ではもっと良いパフォーマンスがみせられると思う。

Engineer, Technical Director:Ryo HIRANO
我々は今回のレースに向け、2020年にSUPER GTで得た経験を活かした持ち込みセットアップで臨みました。その中で、プラクティスから戦えることが証明できたのではないかと思います。やはりヨーロッパのチームの壁は高かったですが、ドライバー3人の第1戦に関するフィードバックを得て、第2戦では上のレベルで戦える手応えはつかめたかと思っています。アブダビで行われる第3戦、第4戦に向けては、今回のドバイでの経験を活かしたセットアップをクルマに施し上位を狙っていきたいですね。この参戦では、ヨーロッパの強豪チームと戦うことができていて、自分自身のスキルアップにも繋がっています。残り2戦、海外の強豪たちの胸を借りるつもりで頑張ります。

Driver:Satoshi HOSHINO
第1戦/第2戦ともスタートドライバーを担当しましたが、2レースともにうまく序盤の混乱を抜けることができ、自分の担当スティントをしっかりと走り抜くことができたのではと思っています。国内のレースと異なり、世界中のレベルが高いブロンズやシルバー、ゴールドのドライバーが参戦しており、ふだん経験できないハイレベルななかでのレースを、チームとしてもドライバーとしても経験することができたと思います。特に第2戦では、目の前に元F1ドライバーのジャンカルロ・フィジケラ選手がおり、とても感動しました。こういった体験こそ海外レースの醍醐味ではないかと思います。またアブダビではさらに上位を目指し、チーム一丸となって戦っていきたいと思います。

Driver:Tomonobu FUJII
ドバイでの第1戦/第2戦を無事に終えることができました。第1戦で得られたものを活かし、第2戦ではクルマのセットアップやさまざまなポイントで向上させることができ、全体のアベレージは非常に高くなりました。第2戦については、FCYのタイミングがあまり良くなかったり、最後にピット静止時間が1秒足りなくペナルティを受けたりしましたが、チーム全体としてはヨーロッパの強豪と良い戦いができたと思いますし、ひとりのドライバーとしてもバトルを純粋に楽しむことができました。今までにない、エキサイティングなレースを戦うことができたと思っています。アブダビラウンドでもすごく楽しみですし、さらに良い成績が残せるよう頑張っていきたいと思っています。

Driver:Tom GAMBLE
まずこうして、週末を終えることができて嬉しく思っているよ。自分自身のドライビングの面でもそうだし、チームがこのレースウイークを通じて大きく進歩して、クルマはどんどん良くなっていったんだ。第2戦については本当に手ごたえがあって、トップ10を狙うことができるポテンシャルは十分にあったはずだ。ライバルたちは強力だから簡単なことではないけれど、アブダビラウンドでは、トップ10をしっかりと狙っていきたいね。チームも本当に素晴らしい仕事をしてくれているよ。メカニックもエンジニアも、とても良いクルマを用意してくれている。それにホシノさん、フジイさんのふたりがとても良い走りをみせてくれている。一緒に迎えるアブダビのレースが楽しみだね。

星野敏と藤井誠暢
星野敏と藤井誠暢


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