トヨタのアドバイザーを務めるアレックス・ブルツは、トヨタのドライバーとチャットグループを作り、他のLMHやLMDhのライバルからの発表に目を光らせていることを明らかにした。
「BMWやプジョー、ポルシェの写真をインターネットで見つけると、みんなで共有して分析するんだ」とブルツ。
「(そんなことができて)とてもクールだよね。僕はこのスポーツが大好きで、プロトタイプが大好きなんだ」
■フェラーリ、モンツァ戦初日にもLMHのテストを継続
先頃、2023年デビュー予定の新型ル・マン・ハイパーカー(LMH)をシェイクダウンしたフェラーリだが、このWECモンツァの初日には、アンドレア・ベルトリーニとダビデ・リゴンが、フィオラノのテストコースでLMH車両をテストしている。
フェラーリのスポーツカー・レーシング・ディレクターであるアントネッロ・コレッタは、外部のサーキットでの最初のテストは、15日後くらいであると語っている。
フェラーリは2023年、2台のファクトリーカーでハイパーカーカテゴリーに参戦する際、外部のドライバーと契約することに反対しているようだ。コレッタは、開発プロセスの中心メンバーともなっている、フェラーリのGTドライバーたちから選出することを望んでいる。
「フェラーリに必要なのは、ビッグネームではなく、ビッグドライバーだと思う」とコレッタ。「“ファミリー”の中にとどまることを、私は好む」。
また、同じくイタリアのマニュファクチャラーであるランボルギーニのモータースポーツ責任者、ジョルジオ・サンナは、金曜日のパドックで目撃されている。サンナは昨年のモンツァ6時間レースも訪問しているが、今回の訪問は2024年のLMDhプログラムを発表した後のものとして、注目されている。
■「走っていて楽しいサーキット」とコルベットのミルナー
モンツァに参戦するコルベット・レーシングの64号車シボレー・コルベットC8.Rは、第1戦セブリング1000マイルと、第2戦スパ6時間を走ったものと同じ個体だ。
第3戦ル・マン24時間でLMP2車両との接触により悲劇的なクラッシュを喫したマシンは、当初の予定どおり、デトロイトの拠点に戻されている。
その64号車をドライブするトミー・ミルナーは、モンツァでの最初の練習走行において、チームにとって建設的な結果が得られた、と述べている。「ここで良いラップタイムを出すには、クルマのバランスに少し自由度が必要みたいだね。このサーキットは走っていてとても楽しい」とミルナーは語った。
■アルピーヌLMDh加入を視野に入れた参戦
モンツァより、セバスチャン・オジエに代わってLMP2のリシャール・ミル・レーシングチームから出場するポール・ループ・シャタンは、ハイパーカーカテゴリーへの参戦という「個人的な目標」を抱いている。
現在、同チームとアルピーヌLMP1をオペレートするシグナテックと連携することは、「将来的に役立つだろう」と述べている。アルピーヌは2024年から、LMDh車両によるWEC参戦を計画している。
だが、シャタンは現在のところは「僕のメインかつ唯一の目標は、リシャール・ミルのためにレースをして、彼らができるだけ速く、安定性を持つよう助けることだ」としている。
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WEC第4戦モンツァ、走行2日目となる7月9日土曜日には、2回のフリー走行に続いて予選が行われる予定となっている。