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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2023.05.18 14:45
更新日: 2023.05.18 16:47

「IMSAとは違う」「タイヤを痛める可能性」ル・マンでのタイヤ予熱解禁に対するWECドライバーの声

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ル・マン/WEC | 「IMSAとは違う」「タイヤを痛める可能性」ル・マンでのタイヤ予熱解禁に対するWECドライバーの声

 ル・マン24時間レースの主催者であるACOフランス西部自動車クラブは先週、WEC世界耐久選手権のタイヤサプライヤーであるミシュランとグッドイヤーと協議した結果、来月に行われる100周年記念大会ではタイヤの予熱を許可すると発表した。1戦限りではあるが、今季2023年からシリーズで使用が禁止されたタイヤウォーマーの復活することについて、WECに参戦中のドライバーやメーカー関係者が反応を示している。

 内燃機関を用いてタイヤを予熱するウォーマーの禁止令はサステナビリティー(持続可能性)の観点から導入されたものだが、とくにハイパーカーでは冷えたタイヤで走り始めることの影響に懐疑的であり、先月末に開催されたスパ・フランコルシャン6時間レースでの多数の事故を受けて、ドライバーの安全性に懸念を示す声もあった。

■ウォーマーを使用していない他のシリーズとの比較は不可能

 プジョー・トタルエナジーズ(93号車プジョー9X8)のドライバーであるミケル・イェンセンは、先週末にウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで開催されたIMSAイベントの中で、「それは良いアイデアだと思う」とSportscar365に語った。

「多くのキーボードウォリアーが、WECのドライバーは(タイヤウォーマーを使用していない)IMSAに来て、コールドタイヤでのドライブの仕方を学ぶべきだと言っているね。僕も長い間IMSAのレースを戦ってきたが、ここでは問題はないと言える」

「だが、GTPクラス(LMDhカーは参加しているIMSA最高峰カテゴリー)で使用されるタイヤは高温用ソフト(SHT:ソフト・ハイ・テンプラチャー)なんだ。タイヤ配分の関係でダブルスティントが義務付けられているWECのハイパーカークラスで主に使われるミディアムタイヤ(MHT:ミディアム・ハイ・テンプラチャー)は、ここでは使っていない」

「一方、WECではMHTを使わなければならない。スパのコンディションでは(スティント全体で)1分から30秒ほど掛かるが、ダブルスティントには最適なタイヤなんだ。だから使わざるを得ない。そして、このタイヤはウォームアップ時にとても危険になるんだ」

「今後どう改善するのかというのは難しいが、WECとIMSAを比較することはできない。それは良い判断だと思う」

 ポルシェのファクトリーLMDhディレクターを務めるウルス・クラトルはSportscar365に対し、今季のミシュランタイヤで「つねに安心して走れると思っていた」としながらも、タイヤウォーマー再導入の決定には「納得せざるを得ない」と述べている。

 同氏はまた、ル・マン特有の措置としてウォーマーが復活したことは、各チームが急きょ在庫を調整するため、ロジスティクス上の課題が発生することも指摘した。

「FIA国際自動車連盟とACOがタイヤウォーマーを導入することを決定したことは、私たちも受け入れている」とクラトレ。

「ル・マンまでの期間が短いので、どのようにマネジメントするかはこれから動くことになる。ロジスティックな面では明らかに運用面でも変更があり、当初のプランから変更することになるだろう」

「我々は必要な機材を持っているが、正直なところ、もっと前から知っていればもっといい準備ができていただろう。しかし、それはおそらくハイパーカークラスに参加しているすべての人が影響を受けるだろうし、GTチームも同様のはずだ」

LMGTEアマクラスのランキング首位に立っているベン・キーティング(コルベット・レーシング) 2023年WEC第3戦スパ6時間レース
LMGTEアマクラスのランキング首位に立っているベン・キーティング(コルベット・レーシング) 2023年WEC第3戦スパ6時間レース

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この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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