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投稿日: 2023.10.30 10:43
更新日: 2023.10.30 10:48

P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 レースレポート

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スーパーフォーミュラ | P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 レースレポート

INGING MOTORSPORT
スーパーフォーミュラ 2023
P.MU/CERUMO・INGING
RACE REPORT
Round.09 SUZUKA
第9戦 鈴鹿サーキット
2023年10月29日(日)
予選・決勝
天候:晴れ 路面:ドライ

#38 坪井翔
予選:5番手 決勝:5位
#39 阪口晴南
予選:16番手 決勝:11位

 10月28日(土)に予選・決勝が行われた第8戦では、坪井翔が上位グリッドを得てたしかな手ごたえを感じながらも、阪口晴南が金曜までの好調から一変、苦戦を強いられたP.MU/CERUMO・INGING。

 決勝レース5周目の大きなアクシデントにより、決勝レースに向けた改善が“正解”だったのか分からないままではあったが、これはライバルたちにとっても同じ。短い周回の中で得られた貴重なデータをしっかりと活かし、今シーズンを良い形で締めくくるべく、チームは快晴に恵まれ、朝から2万5500人という多くのファンが訪れた10月29日(日)の第9戦を迎えた。

QUALIFY 公式予選
10月29日(日) 8:50~9:32 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’36.977/#39 阪口晴南 1’38.308

 迎えた今季最終戦の鈴鹿サーキットは晴天に恵まれ、前日よりも早い午前8時50分から第9戦の公式予選がスタートした。気温17度/路面温度23度と、前日の第8戦の公式予選と数字上はほとんどコンディションは変わらない状況のなか、まずはQ1のA組の走行がスタートした。

 第8戦で激しいクラッシュに見舞われた2台が欠場したことから、A組、B組ともに1台少ないなかでの走行となったが、A組に出走した阪口晴南は、1度ピットアウトしすぐに戻った後、残り5分のタイミングで再コースイン。アタックラップに入っていった。

 ここで阪口は1分38秒308というタイムを記録し、第8戦よりも速いタイムを記録したが、終わってみればQ2進出にはわずかに届かぬ8番手という結果となった。

「狙いとしていたところからずれてしまった感じがしています。コンディションが悪かった金曜日にそこそこ走ることができたのを疑うべきだったかもしれません。決勝はガラッと変えていって、今年良かったものを採り入れていこうと思います。巻き返したいです」と阪口は予選を振り返った。

 続いて9時05分からスタートしたQ1のB組には、前日から好調だった坪井が出走した。阪口と同じく1度アウト~インをこなした後、残り5分で再コースイン。アタックを展開し、ここで坪井は1分37秒113というタイムを記録。3番手でQ2進出を果たした。

 続いて行われたQ2では、各車大きくタイムが上がっていくなか、坪井も1分36秒977までタイムを伸ばしたが、結果は5番手。前日の第8戦と同じグリッドとなった。

「ミスなくアタックできましたし、頑張れた方かとは思いますが、ホンダ勢のタイムは少し見えませんでした」と坪井。とはいえ、決勝に向けてもポジティブな感触を得ていた。

RACE 決勝レース
10月29日(日) 14:30~ 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム:#38 坪井翔 1’41.275(29L)/#39 阪口晴南 1’41.497(25L)

 泣いても笑ってもこれが最終戦。10月29日(日)14時30分から迎えた第9戦の決勝レースは、快晴のもと気温20度/路面温度29度というコンディションのなか、今季ラストレースの火ぶたが切って落とされた。

 5番手からスタートした坪井は、オープニングラップのポジション争いのなかで1ポジションダウン。6番手につける。一方16番手スタートの阪口も抜群のスタートというわけではなかったが、ひとつ順位を上げて15番手に。レースに向けてセットアップを調整していったが、ペースは満足できるものではなかったものの、5周目のストレートでは#4 小高一斗をオーバーテイクし、14番手に順位を上げてみせた。

 坪井も阪口も集団のなかでの戦いを続けていくことになったが、10周のピットウインドウオープンとともにライバルたちが続々とピットに向かっていく。P.MU/CERUMO・INGINGの2台も阪口がミニマムでのピットインを計画していたが、コース上のスロー車両に行く手を阻まれた影響もあり、コース上にステイしレースを進めていくことになった。

 坪井はライバルたちのピットインにともない15周目には2番手まで浮上。一方の阪口は6番手まで浮上することになるが、先にピットインを行ったのは坪井。21周を終えてピットインしコースに復帰する。この段階では、序盤前を走っていた#50 松下信治との位置関係はピットアウト後も変わらず。22周を終えると、それまで坪井の前を走っていた#1 野尻智紀がピットアウトしてくるが、間にラップダウンの車両が1台いたことから、坪井はオーバーテイクには至らず、6番手で終盤のレースを戦っていくことになった。

 一方、阪口は坪井の翌周となる22周を終えてピットに向かう。コースに戻ると、阪口の順位は13番手。ポイント圏内を目指すべく、坪井とともに追い上げをスタートさせた。

 坪井はレース終盤、タイヤ交換を早めに行っていた#50 松下とのギャップを縮めていくと、28周目にこれをオーバーテイク。5番手に返り咲く。一方の阪口も29周目に#4 小高をかわし11番手に浮上してみせた。

 ただ、坪井と阪口によるP.MU/CERUMO・INGINGの2台の追い上げもここまで。31周のレースを終え、坪井は5位、阪口は11位でフィニッシュし、最終戦を締めくくることになった。

 この結果、坪井は6点を加算し、最終的に59点でランキングは4位でシーズンを終えた。阪口は15ポイントでランキングは12位。またP.MU/CERUMO・INGINGはシーズンを通じ68点を得て、チームランキングは4位で終えた。

 2022年の苦戦から抜け出したチームは、上位争いのなかに戻ってくることに成功した。しかし、目指すところはさらに先にある。2024年シーズンに向けさらなるチーム強化を目指すべく、しばしオフシーズンの雌伏のときを迎える。

38 坪井翔

「第9戦は苦しいレースでしたね。スタートは良かったのですが、位置取りで1台に先行されてしまいました。その後のペースはトップ3に比べると離されてしまい、地力で抜くほどのペースはなかったので5位を争う展開となると思っていました。作戦としてもやるべきことができ、結果的に5位を取り戻せたので、苦しいなかでもうまくレースがこなせたと思います」

「ランキングでもなんとか1点差で4位になれたので良かったです。トップ3がずっと速かったですが、そのうしろにいられたことはポジティブですね。収穫もありましたし、2022年よりも大きく改善できました。来シーズンこそチャンピオンを狙えるよう、オフから頑張っていきたいと思います」

39 阪口晴南

「スタートはあまり良くなく、その後少しポジションを上げることができましたが、抜いていけるようなペースではありませんでした。トップ10を狙ってレースを戦っていたのでミニマムの周回で入ることを考えましたが、タイミングが合わず、ピットに入った周は1周判断が遅れタイムロスしてしまいました」

「そういった細かいところを縮めていく努力が必要だと感じましたし、ペースもあまり良くありませんでした。今季は昨年とほとんど同じ状態でレースをさせてもらって、昨年よりも得点できる機会も明らかに増えましたし、Q2進出する機会もあったりと成長を感じることができましたが、上の順位に行くほどトップとの差も感じたシーズンになったと思います」

立川祐路監督

「坪井選手については、予選から第8戦と同様のポジションで、今週の力としてはあの位置だったのだと思います。優勝を争うには少し足りませんでしたね。とはいえ、みんなが精一杯戦っての結果だったと思います。阪口選手については、今週はかなり苦労してしまいました。満足できる結果ではなかったので、坪井選手も阪口選手も来シーズンもっと良くなるよう、オフにしっかり準備していきたいと思います」

「今季はチームランキングでも4位と、1年間を通じてみんなが頑張ってくれたおかげで、昨年よりも良くなりました。今季の結果を礎にして、来季はトップ争い、チャンピオン争いができるようにしたいと思います。1年間、ご声援ありがとうございました」


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