まさかの天候の変化とリザルトとなった、スーパーフォーミュラ第4戦ツインリンクもてぎでの予選Q1。ランキングトップの石浦宏明(P.MU/CERUMO · INGING)に、昨年王者の国本雄資(P.MU/CERUMO · INGING)、そして山本尚貴(TEAM MUGEN)と、優勝候補がQ1敗退という、誰もが予想し得ない展開となったが、なぜこのような予想外の結果になったのか。
近郊の宇都宮市が1時間に28.5mmという激しい雨で道路が冠水になるなど、栃木県に活発な雨雲が訪れ、予選Q1開始直後に雷鳴とともに大粒の雨に見舞われたツインリンクもてぎ。場内の観客には避難指示が伝えられるほどの稲妻と大雨だった。
Q1セッションでは大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)、国本、石浦、山本、塚越広大(REAL RACING)が脱落。雨が降りはじめて強くなっていくタイミングで、塚越や大嶋はピットガレージの位置が後方だったことでコースインが遅れるという不幸な面があり、国本もファストレーンへ並ぶタイミングが遅れたという事情がある。
それでも、先頭に並んでいた石浦がQ1をクリアするタイムを残せず、さらにはピットガレージ最後方の小林可夢偉(KCNG)が3番手でQ1突破と、コースインの順番だけが理由とはならない結果にもなっており、Q1でタイムを残せなかった面々の背景が気になる。
「コースインから攻めてはいました。S字でアンドレ(ロッテラー)に先を譲りましたが、アンドレがその後90度コーナーで飛び出したので、また先頭に戻ってアタックしましたがグリップが全然来ていなくて、2周目もアタックに行きましたが、路面は1周目のアタックの時よりも濡れていて、そこで終わってしまいました。各チームのクルマのセットアップの特性があると思うんですけど、今回のコンディションは僕たちのチームにはタイミングが最悪になってしまった」と、予選Q1を振り返る石浦。
セルモのマシンのセットアップは基本的に決勝重視で、タイヤへの入力が優しい傾向がある。決勝ではタイヤマネジメントに優れる反面、ウエットではウォームアップが厳しいというウィークポイントになってしまう。今回の雨のセッションではタイヤへの入力が大きいセットアップのマシンが上位に来やすかったことは間違いなく、チームの基本セットアップが大きな要因になった点は見逃せない。