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投稿日: 2019.03.05 09:54

そろって『勝つのは簡単ではない』。次世代F1候補、マルケロフとティクトゥム。スーパーフォーミュラと新型車両SF19の印象

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スーパーフォーミュラ | そろって『勝つのは簡単ではない』。次世代F1候補、マルケロフとティクトゥム。スーパーフォーミュラと新型車両SF19の印象

 スーパーフォーミュラ鈴鹿公式テスト初日、セッション終了後に新人のアーテム・マルケロフ(TEAM LEMANS)と今季が初のレギュラー参戦になるダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)が会見し、走行インプレッション等について語った。自身のキャリアや今後の展望についても触れながらの、なかなかに興味深い内容となっている。

 ロシア出身の24歳、マルケロフは近年のFIA-F2でシリーズ上位実績を連ねてきた実力者。公式テスト初日は2回のセッション合計で44周を走り、ベストは1分38秒224、全体16番手だった。前日までのモースポフェスでのフリー走行等を含めたSF19初テストの印象を次のように語る。

「最初はちょっとコーナーで苦労したりもした。でも、今日はチームと一緒に大きなステップを踏めたと思うし、(明日も)さらなるステップを果たしたいね。このクルマは本当に素晴らしい。それに乗れる(今年スーパーフォーミュラに参戦できる)ことは本当にハッピーだ」

「実は最初に戸惑ったのは、主に(FIA-)F2のピレリとのタイヤ特性の違いなんだ。大きく違った考え方で対処する必要がある。まだ、そこに合わせきれてはいない。ただ、僕は(ピレリより長持ち傾向である)スーパーフォーミュラのヨコハマタイヤの方が好みだと感じている。もっと慣れて、うまく使えるようになっていきたい」

 マルケロフが鈴鹿サーキットを走るのは今回が2度目。昨年の日本GP直後に実施された2019年用F1ピレリタイヤの開発テストでルノーのF1マシンをドライブし、鈴鹿を初めて経験した。

「鈴鹿はすごくタフなコースだと思う。特にファーストセクターはスネークのように曲がっているし、丘を上がっていくところもあって本当に難しい。F1のピレリでは、タイヤをもたせるのが大変なセクションだな、とも感じたよ」

 今季のF1昇格を目指していただろうマルケロフ。しかしこのオフ、残念ながらそれは叶わず、当面の新天地を日本に求めることになったわけだが、彼の気持ちはとてもポジティブなものである。

「何年も前からスーパーフォーミュラのことは知っていたし、F2(旧GP2)からスーパーフォーミュラ、そしてF1という道を辿った選手たちもいる。僕にとっても『いい機会になる』と思ったんだ。それに欧州圏外で戦うことも僕にとっては興味深い経験だし、実際に日本にはいい人が多く、異なるカルチャーを楽しんでもいるところだよ」

 ロシアといえば、今でこそF1開催国であり、ビタリー・ペトロフやダニール・クビアトといったF1表彰台経験者の輩出国でもあるが、マルケロフの幼少時にはF1とはほぼ無縁のお国柄だったはず。実際、「F1を見たこともなければ、憧れのヒーローもいなかった」そうだ。そんな少年が、「レンタルのカートをやってみたら、それが楽しくて」というところからキャリアを本格化させ、世界トップレベルまで上がってきた(現在はキミ・ライコネンが憧れの存在だという)。

 近年、TEAM LEMANSに加入した外国人ドライバーは前評判以上の活躍をすることが多い。マルケロフにも、高い実績以上の期待をしたいところだ。ちなみに同じく新人の牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)とは昨季のF2でチームメイトだった。F2ではマルケロフが成績上位だったが、「やはり日本では(牧野が)速さを見せている。ここがホームという感じでね。だから今度は僕が彼に追いついていかなければ、と思って走っている」と対抗心をみせる。

 「日本では彼(牧野)がスーパースターだと感じる」と、笑顔で少し持ち上げすぎる(?)など、マルケロフはコメント発信力も相当に高そうである。

2019年スーパーフォーミュラ第1回合同テスト鈴鹿初日
GP2(FIA-F2)、F1テストドライバーの実績を持って今季スーパーフォーミュラに参戦するマルケロフ(TEAM LEMANS)

■「できるだけ早く追いつきたい」レッドブル・ジュニアの期待の星、ティクトゥムの成長と現在地


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