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投稿日: 2019.03.27 16:23
更新日: 2019.03.28 19:00

チャンピオン経験者の山本尚貴と石浦宏明が新しいオーバーテイクシステムを語る。解釈の違いが生んだ“ボタンの押し方”

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スーパーフォーミュラ | チャンピオン経験者の山本尚貴と石浦宏明が新しいオーバーテイクシステムを語る。解釈の違いが生んだ“ボタンの押し方”

 また山本は、ホンダのドライバーとトヨタのドライバーとの間で、オーバーテイクシステムを使用する際のボタンの押し方に相違があったことを明かした。

「トヨタのドライバーは、オーバーテイクシステムを使うときにはボタンを押し続ける方がいいと言ったんです。でも僕は使う時に押して、解除するときにもう1回押す方が良いと思っていたのですが……ホンダとトヨタでそこまで別れるのかと思いました」と山本。

 ただトヨタ側の石浦によると、このように意見が割れたのは2回の公式テストでさまざまな仕様を試しているところであり、使い方の解釈の違いによるものだと話した。

「この前の鈴鹿テストでは、100秒間の間隔を空けずに使えるということだったので、いたるところでみんながボタンを押していた。その場合は解除するのにわざわざボタンを押さなくていいから、鈴鹿ではその方が良かったんです。でも富士で試したら、『押しっぱなしは無理だよね』という話になりました」

「そういった解釈の違いは出ました。この2回のテストが終わったら、システムを使うときにボタンを押して、解除するときにもう1度ボタンを押すというシステムに変わるかもしれませんが、テスト後にそれぞれのメーカーから意見を吸い上げて最終的な仕様が決定されると思います」

 なお、ドライバーはステアリング上のオーバーテイクボタンを左手で押すため、左回りのコーナーではボタンを押し続けることが難しい。その点の関しては両者の考えが一致していた。

 山本は「1コーナーに関しては右コーナーなのでボタンを押しやすい。だけど左手でボタンを押すので、左コーナーだとおそらく無理ですね。コックピットの中で『この先どうしよう』と思ってドキドキして1コーナーを通過しましたが、少しクリッピングポイントを外しました」と明かし、同様に石浦も「テスト前のイメトレの結果、(左コーナーでは)無理だなと思いました」とシステムの難点を振り返った。

 オーバーテイクシステムの最終的な仕様はまだ決まっていないとのことだが、彼らの明かした予想外の裏話はサーキットに詰めかけた大勢のファンの湧かせた。「これでは記者会見ではなくてトークショーになっちゃいましたね」と山本、石浦が笑いつつ、最後にふたりは今シーズンに向けた抱負を語った。

 山本は、「まずはチームとコミュニケーションを取って、進め方、レースに勝つためのアプローチをお互いにすり合わせているところです。幸いにも、最初から非常に良いクルマのポテンシャルを感じていますし、出だしとしては予想以上の滑り出しかなと思います」と好調ぶりをうかがわせたものの、連覇に向けて慎重な姿勢も崩さなかった。

「今のコンディションは特殊で、シーズン中にこのような涼しいコンディションで走ることはありません。今の時点で調子が良くても、シーズン中はそうではないかもしれないということを心得ておかないと、痛い目にあうと思います」

「今シーズンはクルマも変わりましたし、個人的にはチームを移籍しました。新しい『山本尚貴』をお見せしたいなと思います。今年もサーキットに足を運んでいただいて、応援していただけたらなと思います」

 またタイトル奪還を目指す石浦も、意地を見せて戦いたいと述べた。

「自分のなかでは今まで通りの意識です。2回チャンピオンになりましたが、次の年にそれを防衛できでいないので、もう1度チャンピオンを獲り直したい。ファンの方にも『カーナンバーが2ケタになっちゃいましたね』と声をかけられてしまったので、1ケタに戻したいです」

「オーバーテイクシステムなども含めて、最近は毎年レースが面白くなっているなと感じています。今シーズンはドライバーも入れ替わって、今まで以上に面白いレースが見れると思います。最年長になりましたが、意地を見せてしっかり戦っていきたいと思いますので応援よろしくお願いします」


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