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投稿日: 2019.04.19 23:52
更新日: 2019.04.20 10:31

新型車両&新オーバーテイクシステムで迎えるスーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿。テスト好調のパロウ&山下健太は本命となるか

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スーパーフォーミュラ | 新型車両&新オーバーテイクシステムで迎えるスーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿。テスト好調のパロウ&山下健太は本命となるか

 新型車両『SF19』の最初のシーズンとなる2019年スーパーフォーミュラ第1戦がいよいよ鈴鹿サーキットで開催される。予選を前日に控えた金曜日の専有走行ではアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)がトップタイムをマーク。2番手に関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の順位となったが、果たしてこのまま好調をキープできるかどうか。週末の注目ポイントを探った。

 今年のスーパーフォーミュラでなんといっても、一番注目されるのは新車両SF19のパフォーマンスと、新車両によるレース展開だ。昨年までの名車SF14と同じく『クイック&ライト』のコンセプトのもと、フロントタイヤが左右10mmずつ計20mm幅広となり、ダウンフォースを大幅に増したエアロダイナミクスを備えたSF19。

 見た目としてはSF14のハイノーズ型からローノーズ型のシャシーとなり、リヤウイング後方にはWEC(世界耐久選手権)のLMPマシンのようなLEDランプも装着され、SF19は一見した印象からもSF14とはまったく異なるマシンであることが分かる。

 これまでのオフテストのタイムと比較しても、SF19はSF14に比べて約1〜2秒ラップタイムが速く。このペースで考えるならば、普通のドライコンディションならばコースレコードは間違いなく、全7ラウンド(6サーキット)のうち、どこまで記録が更新されるのかも今季の見どころのひとつになる。

 気になるレース展開では、どこまでオーバーテイク、そしてサイド・バイ・サイドになるようなシーンが増えるかが注目どころ。その鍵を握るのが新しくなったオーバーテイクシステム(OTS)だ。

一時的に燃料流量を増加させてエンジンの馬力を上げるOTSは昨年までは1回20秒間の使用を1大会で5回使用できる規定だったが、今年は総時間の100秒は同じながらも、その上限の100秒を好きな割合で、何度でも使用できる規定に変更された。そして、一度使用を終えたあとは次のタイミングまでに100秒間、使用することができなくなるのがミソになる。

 つまり、昨年までは抜かれる側も防衛的にOTSでパワーアップして追い抜きを防ぐことができたが、今年のOTSではその使用タイミングや使用時間が昨年以上に難しくなり、ドライバーの頭脳戦、心理戦といった駆け引きがよりフォーカスされることになる。その結果として、サイド・バイ・サイドが増えるような展開になれば、この新システムは成功といえるだろう。

 OTSはビジュアル面でも新しくなった。使用中は最初はグリーンランプで点滅、使用できないときはゆっくり点滅、残り20秒を切るとレッドに変わるというシステムになっており、モニター観戦、そしてサーキットで実際にどのように見えるのか楽しみだ。

 タイヤは昨年同様にヨコハマタイヤのワンメイクとなり、レッドのラインが入ったソフトタイヤと、ラインなしのミディアムタイヤの2種類のコンパウンドが使用される。

 それぞれ、どの程度の温度域で何周走ることができるのか、シーズン序盤はその探り合いの意味合いも大きい。特に今週末は二輪のJSB1000、全日本F3、N-Oneオーナーズカップと異なるタイヤでのレースが多く開催されることから、路面コンディションは読めない状況となる。

 実際、金曜の専有走行では公式テストから気温も大きく上がっているのも加わり、路面コンディション、グリップ感の違いや変化に悩むチーム、ドライバーが多かった。変化していく路面にどのように対応していくか、今週末の各チーム、ドライバーの勝負どころとなる。

 優勝争いの予想は例年になく難しい状況だが、これまでのSF19でのテストを振り返ると、アレックス・パロウと山下健太(KONDO RACING)のふたりが安定して速く、頭ひとつ抜け出していた状況だった。スーパーフォーミュラ3年目を迎える山下と、ルーキーのパロウが主軸になれば、それこそ、スーパーフォーミュラの新しい世代が台頭してくることになる。

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