スーパーフォーミュラ最終戦で見事、逆転チャンピオンに輝いた国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)。レース後の会見で喜びを語ったが、その背景には実は、国本とセルモならではの男気溢れるストーリーが隠されていた。
「長いシーズンが終わって、ホッとしています」と、シリーズチャンピオン会見でタイトル獲得の感想を話す国本。
「今年は開幕戦から2位を獲ることができて、2回目の岡山のレース2で優勝できて、やってきたことが少しずつ結果に表れてきているのが実感できたし、自分の中でも自信がついた。最後のレースも『絶対にチャンピオンを獲ってやる』という強い気持ちで鈴鹿に入ったし、そのためにたくさん準備をしてきてました」
「(今日の)レース1では今ままで一番のスタートとレースができて、レース2はスタートがうまくいきませんでしたが、周りの状況を冷静に見ながら自分のレースをすることができた。去年、悔しい思いをした分、本当に今のシリーズタイトルというのが、すごく重みがある感じがしますし、すごくうれしいです」
国本が話すように、去年のスーパーフォーミュラはチームメイトの石浦宏明が51.5ポイントを獲得してチャンピオンに輝いた一方、国本はわずか7.5ポイントと大低迷。その差はあまりにも大きく、ワンメイクのスーパーフォーミュラではドライバー生命を左右しかねないほどのリザルトだった。
「たぶん、昨シーズンが終わったとき、来年、誰がチャンピオンになるかを予想したときに、誰も僕のことを予想する人はいなかったと思うんですけど、自分は『絶対にタイトルを獲ってやる』という気持ちがあったから、こうやって獲ることができたのだと思います」