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投稿日: 2022.10.29 23:46

P.MU/CERUMO・INGING 2022スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 レースレポート

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スーパーフォーミュラ | P.MU/CERUMO・INGING 2022スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 レースレポート

SUPER FORMULA 2022
P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第9戦 鈴鹿サーキット 2022年10月29日(土)予選・決勝
天候:晴れ 路面:ドライ

#38 坪井翔
予選:4番手 決勝:8位

#39 阪口晴南
予選:13番手 決勝:10位

 2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権もいよいよ最終大会となる『第21回JAF鈴鹿グランプリ』を迎えた。シリーズもいよいよ総決算。今季さまざまなドラマがあったP.MU/CERUMO・INGINGの坪井翔、阪口晴南のふたりにとっても、一年を良い形で締めくくりたいレースだ。

 そんな週末に向け、10月28日(金)には専有走行が行われた。晴天の下で行われた走行では、坪井が27周をこなし、終盤にはセットアップも好転。1分37秒829というベストタイムを記録し2番手に。阪口も1分38秒485を記録し、たしかな感触を得て専有走行を締めくくった。

公式予選

10月29日(土) 9:15〜9:57 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’36.356(Q2)/#39 阪口晴南 1’37.551 (Q1)

 迎えた第9戦の予選/決勝日である10月29日(土)も、鈴鹿サーキットは快晴のもと迎えた。やや風の冷たさはあるが、前日とは風向きが異なり追い風に。気温17度/路面温度24度というコンディションのもと、午前9時15分から公式予選Q1がスタートした。まずA組に出走したのは阪口で、コースオープン後、アウトラップから一度ピットに戻り、残り5分というタイミングでニュータイヤを装着し再コースイン。計測1周目でウォームアップを行い前走車との間隔を作ると、2周目でアタックに入っていった。

 コンディションの変化により全体的に前日よりもタイムが上がるなか、阪口は1分37秒551というタイムをマーク。目標のQ1突破に届く5番手に飛び込むが、直後ライバルもタイムアップ。結果Q1突破に0.045秒届かず、A組の7番手となった。しかし「わずかに足りませんでしたが、感触は良くなっています」と阪口は予選を振り返った。

 続いて午前9時30分からスタートしたB組に臨んだのは坪井。阪口同様にアウトラップ後ピットに戻り、残り5分で再コースイン。アタックを仕掛けると1分36秒842までタイムアップ。首位に躍り出た。その直後トップタイムこそ塗り替えられたものの、2番手でQ2進出を果たした。

 午前9時50分からスタートした予選Q2に臨んだ坪井は、コースオープン後残り5分までピットにステイ。他車とともにコースインしアタックを展開していくと、Q1よりもタイムを縮め1分36秒356を記録。ただ、ライバルたちのタイムアップもあり結果は4番手となった。「悪くありませんでしたが、もう少し上には行きたかったです。とはいえ内容や流れは良かったと思います」という坪井だが、4番手は表彰台圏内、優勝を十分射程に入れるグリッド。決勝に向けて好位置につけることができた。

2022スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

決勝レース

10月29日(土) 14:30〜 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム:#38 坪井翔 1’41.051(16L)/#39 阪口晴南 1’40.507 (21L)

 午前の公式予選の後も晴天に恵まれていた鈴鹿サーキットだが、午後になるとやや風が強まりはじめた。そんななか、午後1時30分から行われたウォームアップで坪井、阪口ともに決勝に向けたフィーリングを確認。午後2時30分からの決勝レースに臨んだ。

 4番手からスタートした坪井だが、発進は良かったものの2番手スタートの#37 宮田莉朋の蹴り出しが遅く、前を塞がれ1コーナーでは5番手に順位を落としてしまう。さらに後方からは、1周目から#19 関口雄飛が猛攻を仕掛けてくるも、坪井はクロスラインでポジションを守っていった。

 一方の阪口は、オープニングラップの混戦をくぐり抜け、13番手グリッドから9番手に浮上してみせた。P.MU CERUMO・INGINGは2台がともにポイント圏内につけ上位をうかがう戦いを展開していく。3周目、坪井は#19 関口雄飛にかわされる一方、阪口は#64 山本尚貴と2周以上に渡ってバトルを展開。序盤激しい攻防を繰り広げた。

 そんななか「抜けるほどのペースがなかった」という坪井は、早めのピットストップを決断。10周を終えピットに入り、タイヤ交換を実施する。しかしここで思わぬトラブルが起きてしまった。坪井とエンジニア間で決定したピットインがチームにしっかりと伝わっておらず、準備ができていなかったのだ。これで坪井はタイムロスを喫してしまった。

 一方阪口はステイアウトし中盤まで走行を続けていくが、後方からはチャンピオンの可能性を残す#20 平川亮が接近。ただ阪口はポジションを譲ることなく、他車のピットインにともない3番手までポジションを上げると、20周を過ぎてピットイン。ただこちらもパーフェクトなタイミングではなくわずかにタイムロスを喫した。とはいえ阪口は#6 大津弘樹と#55 三宅淳詞の争う前で復帰し、コース上でしっかりと2台を抑えることに成功。終盤までピット作業を遅らせステイアウトしていた車両が2台いたが、坪井が9番手、阪口が11番手で中盤以降のレースを進めていくことになった。

 そのステイアウトしていた2台は#37 宮田、#20 平川だったが、#37 宮田はピットイン後坪井の2台前でコースに復帰。坪井の前には#5 牧野任祐が走っていたが、ペースの面でも容易にオーバーテイクができるほどではなく、なかなか坪井は前に接近することができずにいた。

 一方、序盤に阪口の背後にいた#20 平川はピットイン後、阪口の前の10番手でコースに復帰してくる。わずかに阪口はこれをかわすことはできなかったが、#20 平川はすぐに阪口の前を走っていた#64 山本尚貴をパス。逆に#64 山本は少しずつ阪口の射程圏内に近づいていくことになった。

 ファイナルラップまで坪井は#5 牧野を追っていったものの届かず、逆に後方から#20 平川が近づいて来たが、これは退けることに成功。8位でチェッカーを受けることになった。一方の阪口は、ファイナルラップのストレートで#64 山本の背後につけると、これをオーバーテイク。10位でフィニッシュし、1ポイントをもぎ取ってみせた。

 結果的に2台がポイント獲得を果たすことができたが、坪井にとっては少々悔しい、阪口にとっては光明が見えるレースとなった。10月30日(日)にはまだ第10戦が残されている。今回得た反省と手ごたえを活かし、一年を良い形で締めくくるべくチームは一丸となっていく。

ドライバー/監督コメント
#38 坪井翔

「予選は悪い感触ではなかったので、もう少し前にはいきたかったです。ただ専有走行から予選に向けたアジャストが今季課題だったなか、タイムを上げて予選を終えることができたので、結果は悔しいですが内容は良い予選だったと思います。決勝はスタートで行き場をなくしてしまい、ここで前に出ることができればまた違った展開になっていたかもしれません。序盤のペースは悪いものではなかったけれど抜けるほどではなかったので、アンダーカットを狙いミニマムでのピットインを行いましたが、ピットで準備ができていなくて。そのロスがなければもう少し前でレースができていたかもしれないです。決勝ペースが悪かったので、明日までに改善したいですね」

2022スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

#39 阪口晴南

「第3戦の鈴鹿ではすごく苦しかったのですが、今回はかなりしっかり走れるようになってきた印象です。予選ではQ2進出に届きませんでしたが、良かった面はありつつも、Q2までに足りなかったということだと思います。レースは1周目にうまく順位を上げることができました。序盤はペースは良かったものの、7周目あたりから少しペースが苦しくなりました。本来はもう1周早くピットに入りたかったのですが、ピットとの意思疎通がうまくいかなくて。ただその後ポイント圏内に追いつくことができ、得点できたのは前向きに捉えたいです。今季のドライのレースでいちばんペースは良かったので、明日は予選でもっと前からスタートできるようにしたいですね」

2022スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

立川祐路監督

「2台ともポイントを獲ることができましたが、少し不満が残る日でした。坪井選手については予選で4番手につけましたが、手ごたえはあったので決勝でさらに上にいきたいところだったものの、うまく流れを掴むことができませんでした。戦略は良かったのですがピットでロスがあったので、ここは反省材料です。阪口選手については今季ずっとクルマで苦労してきたので、今回セットアップを見直したところ、やっと良い方向にいきました。決勝では比較的良いペースで走ることができましたし、今季では最も手ごたえがあるレースにできたと思います。明日もう一度予選と決勝があるので、2台とも今日以上の結果で終えられるように頑張っていきたいです」

2022スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 立川祐路監督(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 立川祐路監督(P.MU/CERUMO・INGING)


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