TGM Grand Prix　スーパーフォーミュラ第5戦SUGO　レースレポート

2023 SUPER FORMULA Round 5
スポーツランドSUGO（3.586km）
2023年6月17日／18日

・53号車の大湯都史樹選手、相性の良いSUGOで今季2回目のポールポジション獲得も、決勝はマシントラブルで完走ならず
・55号車のジェム・ブリュックバシェ選手、21番グリッドからスタートして17位フィニッシュ

第5戦6月17日（土）～18日（日）

*Q1予選通過基準タイムをクリアせず

　6月17～18日の週末に、2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権の第5戦東北大会が宮城県のスポーツランドSUGOで開催され、TGM Grand Prix の53号車をドライブする大湯都史樹選手は土曜日の予選で今季2回目のポールポジションを獲得しましたが、日曜日の決勝ではマシントラブルに見舞われ、チェッカーを受けることができませんでした。

　一方、予選Q1のアタックラップ中にバックストレートでバランスを崩してコースオフ、ガードレールにクラッシュを喫してしまった55号車のジェム・ブリュックバシェ選手は、決勝は21番グリッドからスタートし、17位でフィニッシュとなりました。

■53号車ドライバー　大湯都史樹選手のコメント

「土曜日のFP1では予選上位で走れる見通しがつかず、かなり焦りまして、どうにかしなきゃ、という強い思いがありました が、エンジニア陣がよくやってくれて、FP1最後の方ではそれが形になりました」

「その後Q1、Q2と走行を重ねながらアジャストをし、徐々によくなっていきました。それでもQ1ではトップ3にいけるかどうか少し怪しいくらいだったと思いますが、なんとしてでもQ2進出を果たしたい気持ちが強く、僕も攻めの走りができました」

「Q2についても最終的には僕自身満足のいくアタックができました。チームも、それをなんとかできるところまで持ってきてくれて、今季このチームで2回目のポールですが、ここまでほぼ常に上位グリッドがとれていますし、改善しなくちゃいけないことは山ほどありますが、このチームの力強い走りをみせられたんじゃないかと思います」

「決勝については、土曜日の段階でロングのペースもみていたのですが自信がもてず、そこからFP2に向けて、エンジニア陣がセットアップ変更してくれました。それでもFP2で走り出すと、速く走れるという手応えが全くなくて、30分の走行時間ではできることも限られていたので、その後のウォームアップ、そして決勝に向けてアジャストを重ねていったのですが、そこでちょっとセットアップを攻めすぎてしまったかもしれません」

「その影響もあったのか、オープニングラップから若干違和感があり、周回を重ねるごとにその違和感が、これは何かが壊れているという確信にかわっていきました。トップを明け渡した後、順位がどんどん下がっていったのですが、１コーナーで飛び出してしまった時も、まともにコントロールができない状態に陥ってしまっていました」

「ただ、とにかく走り切りたい、という思いがありましたし、タイヤのせいかもしれないということで、ピットインしてタイヤ交換をしてみましたが、結局だめで、ピットに戻ってきて、空力関係のトラブルだということがわかりました。正直なところレースペースは苦しかったですし、宮田選手のペースは素晴らしかったので、そこに勝てたかどうかはわかりませんけれども、なんとか表彰台をとれたかもしれないレースだったので、結果を出せずに残念でした」

「トラブルを未然に防ぐことも大切ですし、今回はそもそも決勝のレースペースに手応えを感じられなかったことで、行き過ぎた攻めのセットアップになってしまったと思いますので、チームでしっかりと振り返り、改善をはかって、次に向けた準備をしていきます」

■53号車エンジニア　上城直也のコメント

「FP1の走り出しからセットアップをはずし気味で、少ししんどい状態からスタートしましたが、そこからデータをみながら、大湯選手のフィードバックを取り込んでアジャストしていきました。FP1の最後の方では、なんとか予選で上位を狙えるようなパフォーマンスの確認がとれました」

「さらに予選にむけてまとめあげて、Q1ではなんとかポール争いができそうなタイムが出せました。Q2に関しては正直なところ、車についてはまだまだな部分があったのですが、大湯選手の速さに助けられてのポール獲得でした」

「その後FP2に向けてロングランのペースを考えて車づくりをしたのですが、走り出したら大湯選手からフィーリングがおかしいと、車としては良くないというコメントがあり、実際タイムも出ない状態でした。いくらオーバーテイクをしにくいSUGOといっても、全く戦えない状態のクルマだったので、決勝前のウォームアップに向けてがらっとセットアップをかえてみました」

「ちょっと博打のようになってしまったところはあるのですが、タイムとしては良くなって、フィーリングもFP2よりも良くなっているという大湯選手のコメントもあり、後ろをおさえていけば優勝争いができる、表彰台を狙っていけるクルマになったんじゃないかと思っていました」

「ただ、宮田選手のペースが速そうだったので、もう少し攻めたセットアップにしなければならないかと思い、グリッド上でアジャストを入れたのですが、その影響なのか、現時点ではまだ原因を突き止めてはいないのですが、フロアに穴があいてしまい、それで空力にトラブルが出て、走り切ることができませんでした」

■55号車ドライバー　ジェム・ブリュックバシェ選手

「この週末は、全体的によくありませんでした。ドライビングについても、マシンのセットアップについても、改善すべき点が多くあったと思います。予選はうまくいきませんでしたし、決勝ではペースが不足していました」

「単純に速さがなかった、ということだけではなく、ちょっとタイヤに妙なバイブレーションがあったことにも起因しているような気がします。いずれにしても、何が問題だったのか、しっかり究明しなければなりません。次の富士公式テストでは、レースペースを含む諸々改善すべきところに取り組んで、次のレースに備えます」

■55号車エンジニア　岡島慎太郎のコメント

「FP1からバランスをちょっとずつ修正していって、これまでの中では、ドライバーも自信を持って走れていたので、予選Q1でコースオフしてしまったのが残念でした。アタックラップでセクター1しか走れませんでしたが、悪くなかったので、悔やまれます」

「決勝は、スタートで少し出遅れてしまったのですが、周りも同じく出遅れていたのでポジションはキープでき、その後セイフティカーが入り、リタイアとなった車も出てきたことからポジションがあがりました」

「その後、戦略どおりに早い段階でピットインし、アンダーカットを狙っていこうとしたのですが、再びコースに出てから、小高選手や松下選手とバトルしている中でタイヤを傷めてしまい、その後ペースをあげることができませんでした」

「レースペースについて最終的な確認をまだしていないのですが、今日はちょっとレースが難しかったかなと思います。次、テストが1回あるので、今大会で問題になった部分について確認し、残り後半戦のレースでは高いパフォーマンスで走れるようにしていきたいと思います」

　2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権の次戦は、7月15日～16日の週末に、今季富士スピードウェイで開催される2回目の大会、第6戦となります。