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投稿日: 2023.07.17 13:20

P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 決勝レポート

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スーパーフォーミュラ | P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 決勝レポート

INGING MOTORSPORT
SUPER FORMULA 2023
P.MU/CERUMO・INGING
RACE REPORT

第6戦 富士スピードウェイ

2023年7月16日(日) 決勝
天候:曇り 路面:ドライ

#38 坪井翔
決勝:11位
#39 阪口晴南
決勝:10位

 7月15日(土)に行われた公式予選では、2台がともにQ2に進出する実力をみせながらも、阪口晴南が10番手、坪井翔が11番手と、ここ最近の好調ぶりが嘘のような予選となってしまったP.MU/CERUMO・INGING。不安定な天候に左右されたところはあるが、中団からのレースを戦うことになった。とはいえ、この富士スピードウェイはオーバーテイクがしやすいコース。今回は『スーパーフォーミュラ夏祭り』と題したイベントも行われ、多くのファンが訪れるなか、決勝の巻き返し、そして好ペースを実現するためのセットアップを目指し7月16日(日)のフリー走行に臨んだ。

フリー走行

7月16日(日) 9時20分〜9時50分 天候:曇り 路面:ドライ
ベストタイム:#38 坪井翔 1分24秒945/#39 阪口晴南 1分24秒955

 決勝日となった7月16日(日)は全国的に酷暑となることが予想されたが、朝の富士スピードウェイは曇り空で、午前9時20分から行われた日曜フリー走行は気温25度/路面温度29度というコンディションのもと行われた。

 P.MU/CERUMO・INGINGの2台は、「富士で大事なのは決勝ペース(阪口)」とレースに向けたセットアップを行っていく。坪井はアウトラップから一度ピットに戻った後、7周を走りもう一度ピットへ。その後再度コースインし、合計17周を走行。4周目に記録した1分24秒945がベストタイムとなり、18番手でフリー走行を終えた。

 ただ坪井は「まわりの状況が分からないところがありますが、乗っているフィーリングがテストとは異なっています。タイム以上に感触が良くないです」とあまり良い手ごたえを得られていないようだった。

「第2戦ではペースは速かったので、それをベースにしようと思っています。また今日は風が吹いているので、その様子を見ながら判断できればと思っています」

 一方、阪口もあまり良い手ごたえではなかった様子だった。コースオープン直後から二度続けてピットインを行った後、4周目に1分24秒955というベストタイムを記録、その後一度ピットインを行い、再度コースイン。合計16周を走り19番手となったが、「ちょっと求めていたものが出し切れていません。決勝レースに向けて打破していきたいですね。ただ現状のままだと厳しいです。スタートは良いだろうとは思っていますが……」と振り返った。

 朝のフリー走行では好感触を得ることができなかったP.MU/CERUMO・INGINGだが、午後2時30分からの決勝レースに向けてドライバーのフィードバックを得ながら、セットアップの修正を行っていくことになった。

2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 阪口晴南と坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 阪口晴南と坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

決勝レース

7月16日(日) 14時30分〜 天候:曇り 路面:ドライ
ベストタイム:#38 坪井翔 1分25秒201(13L)/#39 阪口晴南 1分24秒974(33L)

 迎えた午後2時30分からの決勝レース。曇り空は朝から変わらなかったが、気温25度/路面温度31度と蒸し暑さがあるなかでフォーメーションラップが行われた。

 スタートでは、10番手スタートの阪口、11番手スタートの坪井ともにダッシュをみせるが、TGRコーナーの競り合いの中で前に詰まるかたちになってしまい、坪井は#3 山下健太と接触してしまう。しかし、大きなダメージはなく、オープニングラップから激しい上位争いに食らいついていく。1周目、阪口は9番手でメインストレートを通過し、その背後には#12 福住仁嶺をかわしてきた坪井がつけ、P.MU/CERUMO・INGINGの2台は9番手、10番手で序盤のレースを戦っていくことになった。

 P.MU/CERUMO・INGINGの2台はしばらく入賞圏内を守っていたものの、いまひとつペースが上がってこない。9周目、後方から迫ってきた#20 平川亮がTGRコーナーで坪井をオーバーテイク。さらに勢いに乗る#20 平川は、11周目のTGRコーナーで阪口もかわしていった。

 そんななか、坪井は10周目にピットウインドウがオープンした後、背後につけていた#7 小林可夢偉がピットインしたこと、さらに自らのペースがあまり良くない状況を見て、早めのピットインを決断する。11周目にピットインを行うと、チームも迅速な作業で坪井を送り出したが、ピットアウト後に#7 小林にアンダーカットされてしまい先行を許すなど、やはりいまひとつ良いペースを作り出すことができずにいた。

 一方コース上にステイした阪口は、#20 平川を追いながらレースを進めていくが、こちらもいまひとつペースが上がらない。ライバルたちが1分25秒台で走っている状態ながら、なかなか1分26秒台を切れずにいた。

 阪口は26周目、ついにピットインを決断する。ただ、同じタイミングで#4 小高一斗がピットインしており、ここでレースコントロールからはアンセーフリリースの審議が出た。最終的にこれは罰金となったが、阪口はピットアウト後、ニュータイヤのフレッシュさを活かし1分25秒台にラップタイムを戻すと、30周目には坪井をオーバーテイク。これでレース終盤に向けて阪口が11番手、坪井が12番手でレースを進めていくことになった。

 ただ、やはりレース中盤以降もいまひとつペースを上げることができなかったのが坪井。レース中盤以降も1分26秒台をなかなか切ることができずにいた。「そもそものベースのスピードがなかった」という坪井の走りには、いつもの切れ味がなかった。

 このレースは#51 ラウル・ハイマンが序盤にトラブルに見舞われたほかは、最終的にほとんどトラブル車両やアクシデントが起きず、セーフティカーラン等は一度もないクリーンなレースとなっていたが、40周目、入賞圏内の9番手を走っていた#53 大津弘樹がアドバンコーナー立ち上がりでタイヤが外れたかストップを喫する。

 これで阪口、坪井の順位はひとつずつ上がり、P.MU/CERUMO・INGINGは最終的に阪口が10位となり1ポイントを獲得。苦しいレースウイークのなかでの光明を得ることになった。坪井は阪口から離されるかたちとなり、結果的に11位でフィニッシュしている。

 P.MU/CERUMO・INGINGにとっては、苦しいレースウイークとなってしまった。2台ともに見舞われた原因不明のペースの悪さを分析し次戦に繋げなければならない。

 スーパーフォーミュラの次戦は真夏のモビリティリゾートもてぎでのレースとなる。P.MU/CERUMO・INGINGは逆襲を期しもてぎに向けた準備を進める。 

2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 阪口晴南と坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 阪口晴南と坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

#38 坪井翔

「スタートは良く、阪口選手と前を抜いていく展開だったのですが、前に詰まってしまい、その際に接触がありました。ハンドリングに影響はありましたが、幸い壊れてはいなかったので走ることができました。今回は序盤のピットイン後もずっとペースがありませんでしたね。そもそも予選からベースの速さがなく、1ランク下の次元でレースを戦ってしまいました。春の富士でのレースから大きく変わっていたわけでもないので、いろいろなことを考えなければいけませんね。次戦のもてぎは毎年すごく良いわけでも悪いわけでもないのですが、今日の不調を引きずらないようにしなければいけないです。しっかり見直して次戦に臨みたいと思っています」

2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

#39 阪口晴南

「スタートは練習時から良かったですし、自信をもって臨めましたが、1周目のダンロップコーナーで位置取りが良くなかったです。その後のペースがあまり良くなくて、大きくダウンすることもなかったのですが、同じ戦略を採った前のライバルたちがとてつもなく速く、そこにどう近づけば良いかはまた考えなければいけません。富士のロングランはある意味鬼門で、そこで通用するクルマを作ることができれば他でも通用すると思います。今回はSUGOのときの元気はありませんでしたね。以前は1ポイントでも喜べましたが、今回レース中の9番手からひとつ下げていますし、ポイントだけでは喜べません。ペース改善に集中して取り組んでいきたいと思います」

2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

立川祐路監督

「今週は2台とも苦しい展開で、特にレースは厳しいものになってしまいましたね。まだ原因は詳しくは分かっていませんが、ここ最近の良い流れから特別何かを変えたわけではなく、その要因をしっかりと分析しなければいけないと思っています。テストでも悪くなかっただけに、余計に原因をはっきりさせなければいけませんね。最終的に阪口選手が1ポイントを獲得してくれましたが、今のチームの状況では1ポイントで喜んでいるわけにもいきません。次戦はモビリティリゾートもてぎでのレースとなりますが、それまでにしっかりとチームを立て直し、上位で戦えるようにしていきたいと思っています。今回もたくさんの応援ありがとうございました」


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