スーパーGT第8戦（最終戦）
MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL
モビリティリゾートもてぎ
決勝：11月5日
天候：晴れ／雨
コース状況：ドライ／ウエット
決勝：9位
2023年スーパーGTシリーズ第8戦（最終戦）は、栃木県のモビリティリゾートもてぎにおいて300kmレースとして開催。ポールポジションからスタートしたmuta Racing GR86 GTはトップを守って走行していたが、短時間の降雨後の15周目にFIA GT3車両にトップを奪われ2位へ。
早めの25周でピットインして平良から堤に交代し、タイヤ交換をせず逆転を狙ったが、逆に3位へ順位を落とすこととなった。終盤はまた雨が落ちたことでレインタイヤに交換し逆転を狙ったが、雨は続かず順位を9位に落としてチェッカー。レースには敗れたが2023年シリーズ2位を獲得した。
朝早くから3万人ものをファンが詰めかけたモビリティリゾートもてぎは、薄曇りながら暖かく穏やか。航空自衛隊松島基地より飛来したF-2戦闘機のウェルカムフライトで場内のボルテージが高まると、20分間のウォームアップ走行が始まった。このセッションでは平良から堤へつなぎ5位のタイムをマークしたが、上位4台はもてぎと相性の良いFIA GT3勢でやや不安を残すこととなった。
薄日の差す天候で気温23度、路面温度26度というコンディションの13時6分に300kmレースはスタートした。ステアリングを握るのは平良で、途中ピットインして堤に交代。今季初優勝を果たし、ポイントリーダーの52号車スープラがノーポイントとなれば逆転でタイトル獲得となる。
平良はオープニングラップで、2位の88号車ランボルギーニに0.652秒の差をつけ、3周目には0.731秒差まで広げた。しかし4周目からホームストレート付近で雨が落ち始めると、88号車ランボルギーニが接近。11周目には雨はいったん止んだが路面温度が下がった影響もあり、15周目の3コーナーで逆転を許すこととなった。
平良は徐々にトップから引き離されていったが、2位のポジションはキープ。しかしその差は13.4秒まで広がってしまった。早めの25周目、88号車ランボルギーニと同じ周でピットインし堤に交代。チームはタイヤ無交換でmuta Racing GR86 GTをコースに送り出す。一方の88号車ランボルギーニは後輪2本のタイヤ交換をしたことで2台の差は縮まることになった。しかし堤がコースへ戻ると、21周目に3位でピットインを済ませていた65号車メルセデスが実質的な2位に順位を上げていた。
この時点で実質トップの88号車ランボルギーニとの差は3.0秒、実質2位の65号車メルセデスとは2.5秒差であり、堤は逆転を狙っての走行となった。しかしその差は徐々に広がることとなった。終盤の49周目あたりからまたもやメインストレートを中心に雨が落ち始めた。トップから12秒差となっていた堤とチームは、そのままでの逆転は無理と判断。ギャンブルではあるが降雨が続くと予想し53周でピットインし、レインタイヤに履き替えて大逆転を狙った。
堤は7位でコースに戻り雨量が増えることを願ったが、無情にも雨は上がり結果的には順位を9位へ落として59周でチェッカー。勝負には出たが、残念な結果となった。しかしながら最終戦まで速さを見せてタイトル争いに残り、シリーズ2位で今季を終えることができ、チームも大きく成長した収穫あるシーズンとなった。
堤優威
「昨日はチャンピオンが見えたという一日だったので結果は非常に悔しい思いがあります。今日は序盤から厳しかったので足りない部分というのが露呈してしまいました。最後は雨が降って来てそのままドライで行く選択もあったのですが、迷っているよりもチームは雨が降り続くという判断をしてくれましたし、自分でもそう思ったので逆転のチャンスを狙ったのですが残念でした。今年一年速さは追求できているし攻め続けた結果を見せることはできたと思うので、来年も応援をよろしくお願いします」
平良響
「最後は雨が降り続くと願ってギャンブルに賭けたのですが、雨はすぐに上がってしまい、レースが終わるとまた降り出すという残念な結果になってしまいました。来年もしあるならば、今年僕たちに足りていなかった部分を究明して頑張っていきたいなと思っています。今年はチームメイトにも恵まれてたくさんの勉強ができたので、今後のレースに生きる経験となりました。一年間の応援をありがとうございました」
加藤寛規
「もてぎは予想どおりFIA GT3車両が速かったです。終盤にレインタイヤに替えたのは、3位のままでゴールを迎えてもチャンピオンシップは獲れないということでギャンブルに出たわけですが、結果には結びつかなかったのですが攻めのレースをしたということで、チームは良く判断したなと思います。今年はレースを重ねるごとにドライバーの成長も見えていました。勝つというところまでは届きませんでしたが課題もはっきりしています。来年も応援をよろしくお願いします」
