WEC世界耐久選手権や、WRC世界ラリー選手権への影響を見ても明白なとおり、ベルガーの代表就任は“ディーゼル・ゲート”の影響が世界のモータースポーツ活動にも及ぶ、難しい時期とも重なった。これについても「彼らがコスト削減圧力を受け、それを正当化できないことを理由に去ることはない」と持論を述べた。
「もちろん、コストが重要事項であることを知っているし、それを意図したプラットフォームを構築している。大事なことはショーが正しく行われ、ファンがサーキットに来たいと思い、TVで観戦したくなる面白さを提供することだ。これらすべての成分をバランスできれば、DTMはメーカーが欲するプラットフォームであり続ける」
「我々の目標はプラットフォームを強化し、良いレースを可能にし、ファンが来るようにするための規則を持つこと。この3つの点でうまくいくなら、メーカーは来るはずだし、その観点からも──私自身は心から愛しているけれど──(ニュルブルクリンク北コースの)ノルドシュライフェでのレースは前向きになれない。ファンがマシンを見る機会が激減する、という点からね。これはWTCC(世界ツーリングカー選手権)の例を見るまでもなく、24年前の我々も直面した問題なんだ」
そうした視座からも、現在FIAのワーキンググループが2019年の発足を目指しているDTM、スーパーGT(GT500クラス)の車両規則“クラス1”を用いた世界選手権構想に対しても「我々の焦点はDTMにある」と明言する。
「今、我々は我々自身の選手権と規制に焦点を当てている。FIAが何かをするつもりであることはもちろん知っているが、我々の焦点は競争を強化することだ。将来的に私たちにとって興味のある商業的かつスポーツ的な機会があれば考慮すべきだが、今、私たちの焦点はDTMにこそある」
「私のこれまでの経験を使って、ITRのメンバー、そしてマニュファクチャラーとともにDTMを活性化するアイデアを試したい。この先3年間で何が起こるか、本当に楽しみだね」